出典:ドン・フリーマン『くまのコールテンくん』/偕成社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『くまのコールテンくん』のご紹介です。
コールテンくんが、なくしたボタンを探す探検物語。
お人形と女の子の心あたたまる友情の物語。
そんな2つの側面を持ったロングセラーの絵本です。
「欠けている部分があってもいいんだよ」
リサの言葉を通して、そんなことを伝えてくれているかのよう。
読み聞かせの絵本としても人気のすてきな作品です。
絵本『くまのコールテンくん』の情報
『くまのコールテンくん』のあらすじ
コールテンくんはくまのお人形。
大きなデパートのおもちゃ売り場に売られています。
おもちゃたちはみんな、自分のことを買いに来てくれるを心待ちにしていました。
ある朝、女の子がコールテンくんの前で立ち止まると。
「あたし、ずっとまえから こんな くまが ほしかったの」と、ママにおねだり。
だけど服のボタンがひとつとれたコールテンくんをみて反対されてしまいます。
「ぼく、ボタンが とれてるの しらなかった」
その日の夜、コールテンくんはボタンを探しにデパートのなかを探検します。
はじめてのエスカレーターにびっくりしたり。
豪華な家具売り場やフカフカのベットに大興奮。
どれもコールテンくんが経験してみたかったものばかりです。
すると、巡回にきた警備員のおじさんに見つかってしまいます。
ボタンは見つからないまま、もとの棚に戻されてしまいました。
次の朝、コールテンくんが目を覚ますと、昨日の女の子が目の前でにっこり。
リサは自分の貯金を使って、コールテンくんを家に抱いて帰ってくれたのです。
おうちに着くとコールテンくんにぴったりのベットまで用意してあります。
リサはコールテンくんにボタンをつけて、ぎゅっと抱きしめてくれました。
ずっと暮らしてみたかったおうちで、ずっとほしかった友だちができました。
絵本『くまのコールテンくん』の内容と感想
買い物に来た女の子、リサのひとめぼれからはじまる、コールテンくんの探検物語。
閉店したお店って、なんだかワクワクするしませんか?
ちょっといけないことをしているようでドキドキしますよね。
警備員のおじさんがライトで調べるところなんて「きゃー、見つかっちゃう〜」とハラハラしてしまいます。
夜のデパートははじめて出会うものばかり。
好奇心旺盛なコールテンくんがすごく可愛らしくて、素直な子どもが描かれていますね。
大きなデパートだから、きっときれいな人形もあったはず。
それでもリサは、ボタンが取れていたって「この子がいい!」と気に入ってくれた。
「あたし、あなたのこと このままでも すきだけど、でも、ひもが ずりおちてくるのは、きもちわるいでしょ」
そんなリサの言葉からも感じられる優しさと包容力。
「欠点があってもいい」
「足りないままでもいい」
まるでそんなメッセージを伝えてくれているようです。
まだ公開時期は決まっていませんが海外で実写映画化も決まっています。
どんな作品ができあがるか今から楽しみですね。
お人形と女の子、2人のふれあいを描いた1冊。
あたたかい気持ちにさせてくれるロングセラー絵本です。
続編・シリーズ作品
・コーちゃんのポケット(1983年9月)
運命の出会い
みなさんは「運命」って信じますか?
ぼくは絵本『くまのコールテンくん』を読んでいると「運命の出会い」という言葉が頭に浮かんできます。
コールテンくんとリサは、はじめから出会うことが決まっていたんじゃないのかなあ、なんて考えてしまいます。
「いつかは運命の人にめぐり合う」とか。
「子どもは親を選んで生まれてくる」とか。
運命ってなんだか信じたくなる魅力がありますよね。
だけど言葉にしちゃうと陳腐で、少し恥ずかしい気もしてしまう。
考え方によっては「何をしたって決められたとおりにしかならな」いみたいに思えちゃいますしね。
それでもみんな「運命の相手」を探してあっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
ほんとうに決まっているのなら何もしなくても出会えるはずなのにね。
結局、運命ってあらかじめ決められているのではなくて、自分で「運命の人」にしているんですよね。
決めるのはいつだって自分自身。
運命なんて曖昧なものじゃなくてね。
人生は自分の手で選択するものなんだから。
だけどやっぱり運命って魅力的な力があるんですよね。
リサとコールテンくんの出会いは運命なのだと思いたかったり。
おこずかいの貯金がちょうどあったりだとかは運命的な気がしますよね
以上、お人形と女の子のふれあいの物語 名作絵本『くまのコールテンくん』のご紹介でした。
おしまい。
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