みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ぐるんぱのようちえん』のご紹介です。
ずっとひとりぼっちでいじけていた大きな小象。
不器用なぐるんぱの成長の物語。
「どこかに必要としてくれる場所がある」
「必ず認めてくれる人がいる」
そんなメッセージを届けてくれるあたたかい1冊です。
「終わりよければすべてよし」の、気持ちのいい作品。
50年以上も愛され続ける、ロングセラーの名作絵本です。
絵本『ぐるんぱのようちえん』の情報
『ぐるんぱのようちえん』のあらすじ
とっても大きな小象のぐるんぱ。
ずっとひとりぼっちで暮らしてきたので、すごく汚くてくさーい匂いもします。
ある日、ジャングル会議でぐるんぱを働きにだすことが決まりました。
みんなにきれいに洗ってもらって見違えるほど立派に。
さあ、にっこり笑って出発です!
はじめはビスケット屋さんで働きます。
ぐるんぱは張り切って特別大きなビスケットをつくりました。
だけど大きすぎて誰も買いません。
「もう、けっこう」とクビになってしまいます。
お皿つくり、靴屋さん、ピアノ工場に自動車工場。
いろんな仕事に挑戦しますが、どれもつくるものが大きすぎて失敗ばかり。
どこに行っても「もう、けっこう」と追いだされてしまいました。
ぐるんぱはしょんぼり……
残っているのは大きなビスケットとお皿と靴とピアノを乗せた、大きなスポーツカー。
しばらくすると子だくさんのお母さんに出会います。
ぐるんぱ12人の子どもたちの世話をお願いされて、今までつくったものを使って遊びます。
そしてぐるんぱは子どもたちのために「ぐるんぱのようちえん」を開きました。
絵本『ぐるんぱのようちえん』の内容と感想
ぐるんぱは何をやってもうまくいかなくて。
いつも張り切りすぎて空回りばかり。
だけど最終的には自分を必要とし、認めてくれる人たちに出会い「自分の居場所」をみつけます。
遠くまで響きわたる大きなピアノや、かくれんぼができる大きな靴。
みんなのプールになる大きなお皿に、たくさん食べても大丈夫なビスケット。
どれも「使えない」と言われ、失敗作だったもの。
それでも子どもたちにとっては大喜びの遊び場になります。
今まで努力は無駄なんかじゃなくて、ちゃんと意味があったんですね。
でもそれは、ぐるんぱが真剣におしごとに取り組んだからこその結果です。
ちょっと厳しいようだけど、ジャングルのみんなの行動も、ぐるんぱの為を思えばこそですね。
「ウジウジしていたって仕方がない」
「ひとりが嫌なら自分から動きだせばいい」
そんなことを考えさせられます。
水彩で描かれたかわいいイラストもこの作品の魅力のひとつ。
「ぐるんぱの幼稚園」で子どもたちが楽しそうに遊ぶ姿はみていてあたたかな気分にさせてくれますね。
発行部数はダブルミリオンを達成の234万部*1。
50年以上も読まれ読まれているロングセラーの人気絵本です。
『ぐるんぱのようちえん」の、その後を描いた『ぐるんぱのたんじょうび』が福音館書店のホームページで読めますよ。
受賞歴
- 第1回 ようちえん絵本大賞
- 第2回 ようちえん絵本大賞 準大賞
いらないものなんてない
ことわざなんかでも「捨てる神あれば拾う神あり」とか「無用の用」なんて教えもあって。
一見、失敗作だったり役に立たないよなものでも、それが必要だったり役に立っていたりする。
きっと無駄なものなんてないんですよね。
必要だからこそ存在しているわけですし。
結局は捉え方しだい、ということなのかな。
見る角度によって映る景色なんて違うわけで。
タイミングなんかによっても価値なんて変わるもんなんだから。
絵本のぐるんぱだって一緒。
誰にも必要されなかったものが一躍脚光をあびることもあるんです。
あまりひとつの考えにとらわれないことですよね。
それでも否定されたりダメ出しされると、やっぱり傷つくし落ち込んじゃうんだけどね。
「自分には価値がない」
「誰からも必要とされてない」
ついそんなふうに思ってしまったり。
ひとつの価値観でしかないのに、ぼくたちはついそれがすべてだと錯覚しちゃう。
まあ、意見に耳を傾けることも大事なんですけどね。
必要以上に気にしすぎないということじゃないのかな。
大切なのは他人がどうかではなく自分がどうか。
自分が「これでいい」と思えることをきちんと積み重ねていく。
そうすれば、ぐるんぱみたいにいつか形になるはずだから。
きっと結果はあとから追いついてきますよね。
結果の方に追い抜かされないように急がないと。
以上、終わりよければすべてよし!自分の居場所をみつけた小象のお話 絵本『ぐるんぱのようちえん』のご紹介でした。
おしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
FACEBOOKでコメントを書く