出典:レオ・レオニ『じぶんだけのいろ』/好学社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『じぶんだけのいろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし』のご紹介です。
「じぶんのいろ」を持てないカメレオン
変わりたくなくても周りに合わせてしまう。
そんな自分が好きになれなくて「じぶんだけのいろ」を探すカメレオンのお話。
迷って、悩んで、最終的に自分なりの答えにたどり着きます。
「自分探し」に迷ってる人。
「自分らしさ」いつか悩んでいた人。
大人も子どもも含めて、たくさんの人に読んでほしい1冊です。
絵本『じぶんだけのいろ』の情報
著者:レオ・レオニ/作 谷川 俊太郎/訳
出版社:好学社
出版年:1978年4月
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4歳、5歳、大人
読み聞かせ:3歳から
『じぶんだけのいろ』のあらすじ
オウムは緑、金魚は赤。
ゾウは灰色、ブタは桃色。
だけど……カメレオンだけは別。
レモンの上では黄色に。
トラの上ではトラそっくりのしま模様に。
みんなそれぞれ「じぶんのいろ」を持っているのに。
カメレオンは行く先々で、周りに合わせて色が変わってしまいます。
自分の色を持てないことを嘆いて途方にくれていたカメレオン。
だけどあるとき、もう1ぴきのカメレオンに出会います。
2ひきは共に暮らすことで悲しみを共有し、克服しようとする。
一緒に緑になり、紫になり、黄色になり……
一緒に変わり続けるという「じぶんのいろ」を見つけましたとさ。
めでたし、めでたし。
![jibundake-iro.1 絵本「じぶんだけのいろ」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2016/12/jibundake-iro.1.jpg)
絵本『じぶんだけのいろ』の内容と感想
自分の色を持っている他の動物たちを羨ましく思うカメレオン。
彼は自分だけの色を探し求めて葛藤します
きっとこのカメレオンは、自分のことがあまり好きじゃないのかな。
「自分らしさ」がわからなくて。
「自分探し」に夢中になって。
まるで周りの誰かさんみたい。
最終的にカメレオンは固定された「じぶんのいろ」にこだわり、追い求めることをやめてしまいます。
それは、周りがどうかに関係なく2人で一緒という「じぶんたちのいろ」を見つけたから。
ともに変わり続けられる相手がいること、それだけで安心できるんですよね。
ページをめくるたびに、まるでカメレオンのように変化していく色彩。
淡い水彩で描かれるイラストは、ころころと色をかえながら物語は進みます。
レオ・レオニの作品らしい、美しくも心に染みわたる絵本です。
![jibundake-iro.2 絵本「じぶんだけのいろ」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2016/12/jibundake-iro.2.jpg)
つながりの中で見えてくる「自分らしさ」
自分らしさって何ですかね?
本当の自分って、どんな自分なんだろう?
自分の考えをしっかり持った人が格好よく見えたり。
優柔不断な自分を情けなく感じたり。
「嫌われたらどうしよう」
「自分勝手なやつだと思われないかな」
そんなことを考えて、自分の気持にふたをして周りに合わせてしまう。
「失敗したくないから」
「どれが正解かわからないから」
そんな思いから、気がつけば誰かのマネばかり。
いつも人の顔色をうかがっている自分が好きになれなくて。
自分のやりたいことがわからなくて。
ぼく自身、ずっと「自分らしさ」を求めて「自分探し」をしてきました。
絵本のカメレオンのように「じぶんだけのいろ」を求めてきました。
そのおかげか「今の自分なりの答えのようなもの」には出会うことはできたけれど。
それでも、今もときどき迷子になります。
自分らしさって「誰か」が与えくれるわけではない。
自分探しって「どこか」にあるわけでもない。
今の自分を否定しても見つからなくて、はじめからあるものだと気づくもの。
だけどね、それはひとりきりで見えてこない。
結局、「自分らしさ」ってひとりでは見つからないんです。
絵本の中で2ひきのカメレオンがそうだったように。
人との違いを受け入れたり、つながりを感じることで見えてくるんですよね。
以上、「自分らしさ」を探したカメレオンのお話 レオ・レオニの人気絵本『じぶんだけのいろ』のご紹介でした。
おしまい。
この本、冒頭だけ紹介されて、結末はなんだろうってずっと気になってた本でした。自分だったら、どんな結末だろうか?って考えてました。ほとんど一緒でした。たとえコロコロ色が変わろうとも、変えることができる、それが自分らしい色なんだと。それは素晴らしい才能なんだと。それに気づくと、きっと、幸せになれるんでしょうね。自分を認めること、例え苦手な部分があっても、それがあったから今の自分がらあると思えること、自分の全てを抱きしめることが出来たらきっとその人の幸せは保証されるんだと思います。本読んでみたくなりました。ありがとうございました。
木沢俊二さん
コメントありがとうございます♪
ほんとにそうですよね。自分の否定からは幸せは生まれませんから。
決して完ぺきなんかじゃないけれど、自分のダメな部分を含めて「ありのまま」を受け入れられると楽になれますよね。
『じぶんだけのいろ』に限らずレオ・レオ二の絵本は、いろいろ考えさせられる素敵な作品が多いのでおすすめですよ!