絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

押すなよ!せったい押すなよ!ボタンが気になる参加型絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』

絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」の表紙

出典:ビル・コッター『ぜったいに おしちゃダメ?』/サンクチュアリ出版

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』のご紹介です。

この絵本には 1つだけルールがあります。
それは「ぜったいにボタンを押しちゃダメ」と、いうこと。

さらに、ボタンのことを考えてもダメなんですって……

なんとも気になるボタンをテーマをした物語。
楽しい仕掛けがいっぱいの参加型絵本です。

子どもの好奇心を刺激する、ワクワクドキドキの愉快な1冊ですよ!

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絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』の情報

原題:Don’t Push the Button!
著者:ビル・コッター/作
出版社:サンクチュアリ出版
出版年:2017年8月
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:2歳3歳4歳
読み聞かせ:2歳から

『ぜったいに おしちゃダメ?』のあらすじ

むらさき色をした不思議なモンスターの、ラリーが教えてくれます。

「この えほん には 1つだけルールがあるよ
それは、このボタンを おしちゃダメ ということ」

できるかな?

そんなことを言われても……ねえ……
「押したらダメ!」って言われると、よけいに押したくなるもんね。

うー、押してみたい……
押したらどうなるんだろう?

「押してみたら?」「ちょっとだけ押してみたら?」
自分でダメって言ったのに、ラリーはそそのかしてくるし……

「だれもみてないから ちょっとだけ おしちゃいなよ」なんて言うもんだから……

誘惑に負けてボタンを押すと……
むらさき色のラリーが黄色くなっちゃった!

もう1度ボタンを押して……
今度はラリーが水玉模様になっちゃった!

ボタンを押すたびにラリーが増えて大さわぎ!

「ブン! ブン! ブン!」
絵本をふって他のラリーを追い出そう!

さてさて、ラリーはもとに戻れたのかな……?

絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」の中身その1出典:ビル・コッター『ぜったいに おしちゃダメ?』/サンクチュアリ出版

絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』の内容と感想

「押すなよ! ぜったいに押すなよ!」
これ、関西人からすれば、押せって意味ですから!

「フリですよね?」と、ついツッコミたくなるような、ユーモラスな1冊。
ボタンをめぐる、大笑い必須の愉快なお話です。

最初から最後まで、見開きの左ページにドンと居すわった存在感のあるボタン!
気にするなって方が無理だよね。

「ちょっとだけ押してみたら?」
「だれもみてないから」

ラリーは何度も誘惑してくるしさ。
そりゃあ、我慢できずに押しちゃうよねー!

押したらどうなる?
ラリーの色が変わったり、どんどん増えたりと、楽しい仕掛けがいっぱい!

ボタン以外にも絵本をブンブン振ったり、おなかをこすったり。
読者である子どもの行動で絵本が展開していく参加型の絵本です。

アンケートでは『ぜったいに おしちゃダメ?』を読んだ子どもの、97パーセントが声をあげて笑い、90パーセントが「もう1回読んで」とおねだりしたんだそう*1

そんな好奇心を刺激するアメリカ生まれので大ヒット作!

そして、絵本の最後は特別にボタンをいくらでも押してもいいんだって!
我慢したぶん、思うぞんぶん押しまくろう!

えっ? ぜんぜん我慢してなかったって?

ま、仕方がないよね。
それでも気にせずいっぱい押しちゃえ!

受賞歴
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  • 第10回 MOE絵本屋さん大賞2017 パパママ賞 第5位
  • 第5回 積文館グループ絵本大賞 第1位
  • 絵本「ぜったいに おしちゃダメ?」の中身その2出典:ビル・コッター『ぜったいに おしちゃダメ?』/サンクチュアリ出版

    押しちゃダメは、押すことができるの裏返し

    絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』は、ボタンを押すことで物語が進んでいきますね。
    ここで大切なのは「子ども自身の手でボタンを押す」ということ。

    「自分の行動によって変化が起こせる」
    そんなふうに感じられるのは、子どもの自信を育むために、とっても大事なことだから。

    絵本とおなじでさ、ボタンはいつだってそこにあるんだよね。
    ぼくたちはいつだって、押そうと思えばボタンに手が届く。

    「押しちゃダメ!」
    「押したら大変なことがおこる」

    そうやって怖がって、ためらっていたって何もはじまらないよ。

    何が起こるかなんてやってみなきゃわかんない。
    そして大抵は、そうそう困ったことにはならないからさ。

    されにさ、ちょっとぐらい問題が発生したって大丈夫!
    絵本みたいに、振って、こすったら、もとに戻るんじゃない?

    それでももしかしたら、まわりの人たちが「押しちゃダメ!」って反対するかもしれない。
    「変わりたい」と願う気持ちを否定されるかもしれない。

    だけどさ、よく考えてみて。

    「押すなよ! ぜったいに押すなよ!」
    これって、押せって意味ですからね。

    無理に押す必要はないんだけどさ。
    押したかったら押せばいいんじゃないかな。

    たった1度の人生は、自分の望むように生きていいんだし。
    なんてったって、ボタンはとなりのページにあるんだからね。

    以上、押すなよ!せったい押すなよ! ボタンが気になる参加型絵本『ぜったいに おしちゃダメ?』のご紹介でした。

    おしまい。

    *1:日本人の親子300組を対象にしたモニターアンケートの結果です。

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