出典:ジーン・ジオン,マーガレット・ブロイ・グレアム『はるがきた』/主婦の友社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『はるがきた』のご紹介です。
名作絵本『どろんこハリー』シリーズの著者コンビによる絵本。
アメリカで出版されてから半世紀以上も未翻訳のままだった作品です。
なかなかやってこない春にしびれを切らした男の子のアイデア。
そして街の人たちの行動力で、みごと街に春を呼び込みます。
自分から行動することや、春の気持ちよさが伝わってくる作品。
ページをひらけばどこもかしこも春色がいっぱい。
たくさんの春があふれる爽やかな1冊です。
絵本『はるがきた』の情報
『はるがきた』のあらすじ
もうすぐ春です。
でも町は灰色で街路樹は枯れ枝ばっかり。
春はまだどこにも見あたりません。
みんな街の色と同じで、暗くてしずんだ気持ちです……
すると、通りを歩いていた男の子がふといいことを思いつきます。
「ねえ!どうして はるを まってなきゃ いけないの?」
「まってなんか いないでさ、ぼくたちで まちを はるにしようよ!」
男の子の説明にみんな笑顔で大賛成。
男の子も女の子も友だちもお隣さんも、みんなそろって街中に絵を描きはじめます
塀に葉っぱやつる、家の壁にはラッパスイセンを。
大きなビルにはヒナギクやタンポポ、、湖もあって「つり きんし!」という立札まで。
お店も船も電車も、街中生まれ変わったかのように輝きだします。
あたりはどこをみても、もうすっかり春そのもの。
まるで本当に春がきたみたい!
ところがその晩、激しい雨が降り続いて、みんなで描いた春はすっかり洗い流されてしまいます……
すると……
絵本『はるがきた』の内容と感想
名作『どろんこハリー』シリーズの著者コンビによる、楽しい気分になれる絵本。
実は1956年にアメリカで出版されてから、半世紀以上も未翻訳だった作品です。
それが50年以上もの時を隔て、2011年に日本でも発売されました。
なぜこんなに素敵な絵本がこれまで出版されなかったのか不思議なくらい。
男の子の自由な発想力!
そしてそれを実際にやってみせる街の人たちの行動力!
「春の方が来てくれないなら、自分たちで春にしてしまえ」
なんてすばらしいアイディアなんでしょう!
まさしく「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」ではなく「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」の精神ですね。
描いた春は雨で消えてしまったけど、意味がなかったわけではなくて。
みんなの心の中は、ポカポカとあたたかい気持ちなれたんだから。
春を呼ぶ雨だってきっと偶然じゃないんです。
みんなの思いが届いたから、みんなの行動が春を呼び寄せたんですよね。
どこか懐かしくて、あたたかみのあるイラストが春にぴったり。
春を待ちわびる思い、春の訪れの喜ぶ思い。
そんなみんなの思いがいっぱい詰まった気持ちのいい1冊です。
自分から動けば季節だって変えられる
「何かいいことないかな」
「どこかに楽しいことはないかな」
そうやって、ぼくたちはつい「誰か」や「何か」が、必要なものを運んで来てくれると考えがち。
向こうから動いてくれることを期待したり。
相手の方から変わってくれることを望んでしまったり。
でもね、どうして待っている必要があるんだろうね
同じところで足踏みばっかりしてないで、自分から動けばいいんですよね。
絵本の中の街の人たちみたいにさ。
ジッといても何もはじまらないから。
ただ待っているだけじゃなくて自分から行動に移そうよ。
楽しいことがなければ自分でつくればいいんです。
「あの人さえ変われば」
「環境さえ変われば」
そうやって不満を言うのはもうおしまい。
自分自身で変えてしまえばいいんです。
結局、行動できる人が一番強いんですよね。
まずは自分から動きだそう!
ぼくたち自身で変えてしまおう!
動ける足があるんだから。
考える頭がるんだから。
それに、助け合える仲間がいるんだからさ。
やってできないことなんてなくて、行動すれば何かが変わる。
『はるがきた』の絵本みたいに、季節だって動かせるんだから
以上、待つのではなく自分から 素敵なアイデアと行動力溢れる春呼び絵本『はるがきた』のご紹介でした。
おしまい。
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