出典:岡田 よしたか『うどんのうーやん』/ブロンス新社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『うどんのうーやん』のご紹介です。
うどんがうどんの出前を届けるドタバタ珍道中。
バカバカしいのにページをめくる手がとまらない。
もうなんだか、最初から最後までツッコミどころ満載です!
すごくシュールでクセになる。
大人も子どもも、大笑い必死のはちゃめちゃ絵本です。
絵本『うどんのうーやん』の情報
出版社:ブロンス新社
出版年: 2012年8月
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳から
『うどんのうーやん』のあらすじ
人手不足で大忙しのうどん屋さん。
出前の注文が入ると、うどんのうーやん自らお届けです。
「うーやん でまえや。たのむでー」
「ほな いってきますう」
冷めないように大急ぎで向かいます。
走っていると、お腹をすかせて困っている痩せ猫を発見。
「ちょっと このうどん たべ」
そう言って、優しいうーやんは猫にうどんを食べさせてあげます。
中身が半分になってしまったうーやん。
「これは いかん。なんとかせな」
道行く途中で出会った具材を次々と
そうめん、メザシ、うめぼし、絹ごし豆腐。
さらにエビフライ、コロッケ。ミニトマト。
どんどん自分のどんぶりに乗っけて、もうすごいことに……
川を渡って、山を登って。
さてさて、うーやんは無事に出前を届けることはできるのでしょうか!?
出典:岡田 よしたか『うどんのうーやん』/ブロンス新社
絵本『うどんのうーやん』の内容と感想
もう何だかね、はちゃめちゃすぎて感想に困る絵本(笑)
終始悪ノリのような展開が、うーやんの関西弁と相まって実にシュール。
真面目にふざけている感じが個人的には大好きです。
読み進めるほどに突っ込みどころが満載。
ベンチで休憩中の梅干しのおばあちゃん。
もめん豆腐にいじわるされた絹ごし豆腐。
船が壊れたたこやき。
お弁当箱に入りきらなかったおかずたち。
バラエティーにとんだキャラクターたちが次々にうどんの中に……
いじめられっ子、はみ出し者、助けを求めている人。
みんな一緒に受け入れてしまううーやんの包容力!
大阪人らしいあたたかさが感じられますよね。
だけど何でも詰め込みすぎるもんだから、ページをめくるたびにすごいことになっていきます……
目の前に川があれば「わたるしかないやろ」
山があれば「のぼるしかないやろ」
うーやん、ほんと男前……
「にぎやかうどん」として新商品にしているところなんかは、さすが商売上手。
あれだけ入って500円は良心的?
とにかくむずしいことは考えずに読んでほしい1冊。
おなかを抱えて笑える、楽しい絵本です。
受賞歴
- 第1回 静岡書店大賞児童書新作部門 第3位
- 第6回 児童書担当者が選ぶ子どもの絵本大賞 in 九州「この本よかっ!!」 第2位
- 第4回 ようちえん絵本大賞
続編・シリーズ作品
- ちくわのわーさん
- こんぶのぶーさん
出典:岡田 よしたか『うどんのうーやん』/ブロンス新社
「いいかげん」は「良い加減」
ぼくは何かと考えこんでしまうこところがありまして。
ふと何もかもが面倒に感じる瞬間があったり。
なんだか生きることを窮屈に感じてしまうことがあったりして。
小さなことにこだわったり、あれやこれやと物事を複雑にしたり。
「まあいいか」
そうやって思えれば楽なんだろうけど……
「大丈夫、なんとかなる」
そんなふうに楽観的になれるほど自身もなくて……
そんなときに『うどんのうーやん」』読んでいると、なんというか、いろいろむずかしく考えすぎなのかなー、と思ったりするわけでして。
何度みても笑ってしまう内容もそうなんですけど。
絵本のうーやんはかなり大ざっぱで、いいかげん。
うどんと太さのちがうそーめんにも。
「かめへん かめへん。そんなん まぜてしもたら わからへん」
久しぶりに水に入りたいと言うメザシにも。
「これ おつゆやねんけど。まあ ええわ。はいり はいり」
そう言って細かいことは気にせず何でもOK。
読みながらつい「ええんかい!」と突っ込みを入れたくなります。
だけどこの「いいかげん」ってとても大事なことだと思うんです。
「いいかげん」というと「中途半端」みたいにあまりいいイメージでは使われないけれど。
「いいかげん」は「良い加減」
つまり、ちょうどいい具合なんですよね。
張り詰めすぎず、ダラダラとゆるめすぎない。
心の柔軟さみたいなもの。
そんな、いい意味でのいいかげんさを持てれば、もう少し楽に生きられるのかなー、と。
よし!今年の目標は「うーやんみたいになること」にします!
やさしくて、包容力と行動力があって男前。
そんな人間になることを、いいかげんに目指していきたいと思います。
以上、バカバカしいけどクセになる 大笑い必死のはちゃめちゃ絵本『うどんのうーやん』のご紹介でした。
おしまい。
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