絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

親子の愛情を再確認できる 心に染みいるファンタジー絵本『よるくま』

絵本「よるくま」の表紙

出典:酒井 駒子『よるくま』/偕成社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『よるくま』のご紹介です。

男の子の「ぼく」と「よるくま」の一夜のお話。
いなくなってしまった、よるくまのお母さんを探しに行く冒険物語。

共働きのおうち。
お仕事が忙しくてなかなか子供との時間をつくれないなママやパパ。

そんな親子に読んでほしい1冊。

母のぬくもり、子どものさみしさが感じられる。
心に染みいるファンタジー絵本です。

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絵本『よるくま』の情報

著者:酒井 駒子/作
出版社:偕成社
出版年:1999年11月
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳から

『よるくま』のあらすじ

ベッドに寝ている男の子がママにお話します。
「あのね きのうのよるね、うんとよなかに かわいいこが きたんだよ」

ママは優しく聞き返します。
「ママしらなかった。どんなこが きたのかな? おとこのこかしら おんなのこかしら」

男の子は答えます。
「ううん、くまのこ」

そんな会話からはじめる、男のが経験した冒険の物語。

おかあさんとはぐれてしまった「よるくま」
夜みたいに真っ黒な体に、胸にお月さまみたいな白い模様が特徴的な子グマです。

男の子は一緒によるくまのおかあさんを探しに行きます。

もしかしてよるくまの好物のハチミツを買いに行ったのかな?
それともブランコに乗りたくて公園に行ったのかな?

2人は夜の町をさまよいます。
だけど探してもどこにもいません。

もしかしたら先におうちに帰ったのかも……
どこかにかくれているのかな?

家中探したけど、やっぱりいないみたい。
よるくまはとうとう泣きだしてしまいます。

「おかあさんは? おかあさんは?」
夜みたいに真っ黒な涙がどんどんあふれてきます。

しだいに一面よるくまの涙で真っ暗に。
「わぁ まっくら」

すると急に流れ星が流れてきて……

絵本「よるくま」の中身その1出典:酒井 駒子『よるくま』/偕成社

絵本『よるくま』の内容と感想

よるくまを助けてあげたいやさしい男の子。
ママがいなくて不安なよるくま。

そんな「ぼく」と「よるくま」
2人による一夜のおかあさん探し。

全編をとおして男の子の口調で語られていくに愛らしい作品です。
話し言葉ですすむ物語が、子どもにとっては感情移入しやすいのかもしれませんね。

全体的に少し暗めな色づかいが、よるくまの不安さやさみしさを表しているようです。

結局、よるくまのママはお仕事に出かけていたのですが。
きっと保育園に通っている子どもたちにとっても、共感するものがあるのではないでしょうか。

「おまえはあったかいね」
そう言って、ママがよるくまを抱きしめるところにはウルッときてしまいます。

働くママやパパにとっては考えさせられたり、刺さるものがあります。

子どもの不安やさみしさ。
親の愛情やあたたかさ。

読むたびに親子の愛情が再確認できる1冊。
心に染みいるファンタジー絵本です。

続編・シリーズ作品
・よるくま クリスマスのまえのよる(2000年10月)

絵本「よるくま」の中身その2出典:酒井 駒子『よるくま』/偕成社

おまえはあったかいね

ぼくは父子家庭で育って、もちろん父親はずっと働いていて。
朝早くから夜まで、平日も土曜日も仕事をしていました。

なのでなかなか親に甘えることもできずに、ゆっくり家族で過ごす時間も少なかったように思います。
ただ兄がいたことで、ひとりぼっちで過ごすことはあまりなかったのだけど。

それでも今思うと、子どものころのぼくは寂しかったのかなと思うところがあって。
絵本のよるくまみたいに、不安だったり心配だったり。

心の中ではずっと、親の愛情を求めていたんだと思います。

ぼく自身、大人になって結婚して、娘が生まれて。
奥さんもぼくも、お互い働いているもんだから、娘は0歳から保育園に通っていて。

幸い保育園は楽しいようで、嫌がる様子もなく毎日すごしているようなのだけど。

自分の子どものころのようなさみしい思いを、娘にもさせてしまっているのかな……
よるくまを読んでいると、そんなことを考えてしまって胸がキューッと苦しくなるときがあります。

だからせめて、子どもとの時間を大切にしたい。

「何があっても愛しているよ」
「どんなことがあっても味方でいるよ」

そんなメッセージを送り続けていきたいな、と。

「おまえはあったかいね」の、おまえの部分を娘の名前に変えて。
よるくまのママみたいに、今日もギュッと抱きしめてあげたいな。

以上、親子の愛情を再確認できる 心に染みいるファンタジー絵本『よるくま』のご紹介でした。

おしまい。

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