出典:マーシャ・ブラウン『三びきやぎのがらがらどん』/福音館書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『三びきやぎのがらがらどん』のご紹介です。
原作はノルウェーで有名な昔話。
3びきのやぎがトロルの住む谷川の橋を渡ろうとします。
そこで繰り広げられる3びきとトロルの対決の物語です。
恐ろしいトロルや少し荒々しい内容でありながら、どこかユーモラスに描かれた味わい深い作品。
世界中で愛される大人気のロングセラー絵本です。
もくじ
絵本『三びきやぎのがらがらどん』の情報
著者:ノルウェーの昔話/作 マーシャ・ブラウン/絵 瀬田 貞二/訳
出版社:福音館書店
出版年:1965年7月
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:3歳、4歳、5歳
読み聞かせ:3歳から
『三びきやぎのがらがらどん』のあらすじ
三びきのやぎがいました。
名前はどれは「がらがらどん」
ある日、三びきが山を登っていると途中で橋がありました。
その下には気味の悪い大きなトロルが住んでいます。
さて、はじめに一番小さなやぎの「がらがらどん」が
かたことかたこと、と橋を渡ります。
するとトロルが「ようし、きさまを ひとのみにしてやろう」と襲いかかってきました。
「ああ、どうか食べないでください。少し待てば僕より大きいがらがらどんがやってきますから」
それならばと、橋を通してもらいます。
次に二ひきめやぎがやって来ました。
がたごとがたごと、と橋がなります。
するとトロルが襲いかかってきました。
「おっと、食べないでおくれよ。少し待てばやってくるがらがらどんはぼくよりずっと大きいよ」
それならばと、またも橋を通してもらいます。
最後にやってきたのは大きいやぎのがらがらどん。
がたん、ごとん、がたん、ごとんと橋がきしみます。
目の前に立ちふさがる大きなトロル。
さて三びきは無事に橋を渡りきることができるのでしょうか?
![3bikiyagi-garagaradon.1 絵本「三びきやぎのがらがらどん」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/03/3bikiyagi-garagaradon.1.jpg)
絵本『三びきやぎのがらがらどん』の内容と感想
福音館書店「世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本」の1冊です。
ノルウェーの有名な民話をもとにつくられた絵本。
日本で言うところの「桃太郎」や「一寸法師」といったところでしょうか。
絵本のやぎたちはさながら3兄弟といった感じ。
気弱でおとなしい末っ子。
ちょっぴり生意気そうな次男。
そして頼もしい長男。
大きいやぎがトロルの前に登場する「おれだ!おおきいやぎの がらがらどんだ!」のシーンは迫力満点です。
それからなんといってもトロルの恐ろしいこと。
じつはこのトロル、気味の悪い大きな妖精なんですね。
妖精というと小さくて可愛らしいイメージだけど……
スウェーデンでは違ったりするのかな?
「チョキン、パチン、ストン」の終わり方も印象的ですっきりと物語をしめられますね。
発行部数は265万部のダブルミリオンセラー作品*1。
大人気の定番絵本です。
「がらがらどん」ってどういう意味?
タイトルにもある「がらがらどん」
3びきとも同じ名前だし、気になる人も多いんじゃないでしょうか。
原作のスウェーデン語では「De Tre Bukkene Bruse」という題名。
直訳すると「三匹のやぎのブルーセ」となります。
「Bruse(ブルーセ)」=うなり声
英語訳版の題名は「The Three Billy Goats Gruff」
「Gruff(グラフ)」=しわがれ声
そこから連想して日本語版では「がらがらどん」になったそうです。
ちなみに区切り方は「がらがら」「どん」
「がらがら」がうなり声やしわがれ声のイメージ。
「どん」は、西郷どんや釜めしどんの「どん」
「がらがらどん」=しゃがれ声の奴
一番小さなやぎも含めて、3びきともがらがら声なんですね。
受賞歴
・第1回ようちえん絵本大賞
![3bikiyagi-garagaradon.2 絵本「三びきやぎのがらがらどん」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/03/3bikiyagi-garagaradon.2.jpg)
橋の下にはトロルがいる?
『三びきやぎのがらがらどん』の絵本を読んだあと、橋の下をのぞいた経験とかってありませんか?
ぼくは保育園のころ、遠足なんかで橋があったりすると決まって橋の下をのぞきこんでいました。
もちろん、トロルがいないか確認するために。
まあ、とうぜんトロルがいるわけはないんですけどね。
当時は本気で「トロルがいたらどうしよう…」とか思っていたわけで。
子どもの想像力というか妄想力というのは大したものです。
トロルがいたらどうやって逃げようかとか、どうやって戦おうかなんてことを真剣に考えていました。
で、そんなおバカで可愛らしかったぼくも大人になりまして。
子どもができる前までは、奥さんとよく山登りなんかを嗜んでいました。
するといかにも絵本のトロルが住んでいそうな、大きくて古めかしい橋があったりするわけです。
なんだか子どものころを思い出して、トロルがいたらなんてことを考えている自分がいるんですね。
とにかくぼくが奥さんを守らなきゃとか。
大きいやぎのように勇敢に立ち向かわなきゃとか。
そんなことえおいろいろと思案していたんですけど。
いやいや、ちょっと待て!
案外、奥さんがひとりでやっつけちゃうんじゃないだろうか……
以上、怖いトロルをやっつけろ!ノルウェー発のロングセラー絵本『三びきやぎのがらがらどん』のご紹介でした。
チョキン、パチン、ストン。
はなしはおしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
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