出典:サム・マクブラットニィ,アニタ・ジェラーム『どんなにきみがすきだかあててごらん』/評論社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』のご紹介です。
体全身を使って「すき」を伝える2ひきのうさぎのお話。
チビウサギとデカウサギの、互いを思い合う強い気持ち絵本の外まで伝わってきます。
もうこれでもかというぐらい目一杯の愛情表現に、心があたたかくなりますよ。
あふれるほどの、いっぱいの愛がつまった素敵な1冊です。
もくじ
絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』の情報
著者:サム・マクブラットニィ/作 アニタ・ジェラーム/絵 小川 仁央/訳
出版社:評論社
出版年:1995年10月
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4歳、5歳
読み聞かせ:3歳から
『どんなにきみがすきだかあててごらん』のあらすじ
小さな茶色いうさぎはお休みの時間。
大きな茶色いうさぎの、長い耳につかまってベッドに向かっています
小さなチビウサギは、大きなデカウサギに聞いてみたくなりました。
「どんなに、きみがすきだか あててごらん」
「そんなこと、わからないよ」と、デカウサギは答えます。
「こんなにさ」と、両手をおもいっきり横に伸ばしすチビウサギ。
するとデカウサギは「でも、ぼくは、こーんなにだよ」と、長い腕を伸ばして対抗します。
腕の長さではかなわないと思ったチビウサギは考えます。
精一杯に背伸びしたりしてみたり、逆立ちしてたり、何度もぴょんぴょん飛び上がったり。
体全身をいっぱいに使ってアピールしますが、それでもやっぱり体の大きなデカウサギにはかないません。
何度も比べあったところで、最後は眠くなってしまったチビウサギ。
「ぼく、おつきさまにとどくぐらい きみがすき」と、いって目をとじます。
デカウサギはチビウサギをベッド運ぶと、そっと下ろしておやすみなさいのキスをしました。
「ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって……かえってくるぐらい、すきだよ」
![donnanikimigasukidaka.1 絵本「どんなにきみがすきだかあててごらん」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/donnanikimigasukidaka.1.jpg)
絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』の内容と感想
小さな茶色いチビウサギと、大きな茶色いデカウサギ。
2ひきのうさぎが体全身を使って「すき」を伝えあう、心あたたまるお話です。
自分のほうがどれだけ相手を想っているか。
そしてその思いは、どうしたら伝わるだろうと試行錯誤。
彼らの全力な姿は、みていて微笑ましくなります。
だってなんだか意地の張り合いみたいでおかしいですもんね。
べつに競い合うことでもないのに。
それでも、お互いに思い合っていることは、ちゃんと伝わってるはずだから。
「それは、とても、とても、とおくだ」
そんな作中のひとことからも、デカウサギの大きな体でも伝えきれないくらいの深い愛情が感じられますよね。
うさぎたちは親子なのかな、と思うんだけど、絵本のなかで2ひきの関係性は語られません。
ぜひ心から大事に思う人を思い浮かべて読んでみてはいかがでしょうか。
ほかにも、大切に思う相手にプレゼントしてみてもいいかもしれませんね。
発行部数は102万部のミリオンセラー*1。
心が癒やされる、素敵なロングセラー絵本です。
続編・シリーズ作品
【「どんなにきみがすきだかあててごらん」シリーズ】
- どんなに きみがすきだか あててごらん ふゆの おはなし(2007年9月)
- どんなに きみがすきだか あててごらん あきの おはなし(2007年9月)
- どんなにきみがすきだかあててごらん なつのおはなし(2008年1月)
- どんなにきみがすきだかあててごらん はるのおはなし(2008年1月)
- ポップアップ どんなにきみがすきだかあててごらん(2011年7月)
- ぼくらはいつもいっしょだよ(2013年10月)
![donnanikimigasukidaka.2 絵本「どんなにきみがすきだかあててごらん」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/donnanikimigasukidaka.2.jpg)
大切な人に思いを伝えよう
大切な相手に「あなたのことを大切に思っている」という気持ちを伝えていますか?
自分の思いを誰かに伝えるのって、意外と勇気がいったりしますよね。
つい言わなくてもわかるだろう、なんて考えちゃう。
たしかに言わなくても伝わることもありますよね。
だけどさ、言葉にしなくちゃ伝わらないこともきっとあるから。
絵本のウサギたちみたいにきちんと意思表示をしないといけないのかな。
「言葉にしちゃうとなんだか嘘っぽい」
「恥ずかしいから言わなくても察してほしい」
そんなふうにして言いそびれちゃったりしちゃいますよね。
だけどやっぱり自分の口で言わなくちゃ。
どれだけ理解しあったつもりでも、ぼくたちはみんな違う人間同士なんだから。
人と人とが分かり合うためには、言葉が必要なんだよ。
それにね、言われたらやっぱりうれしいもの。
言う方も言われる方も、ちょっぴり照れくさいけどね。
その分、お互いが幸せな気持ちになれると思うから。
もっと気軽に、思いの丈を届けようよ。
チビウサギとデカウサギほど、激しくなくてもいいからさ。
ぼくも帰ったら、家族に「大好きだよ」って伝えてみよっと。
目一杯に体全身を使って「こんなにさ」ってね。
以上、ウサギたちが体いっぱいで「すき」を伝える素敵な絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』のご紹介でした。
おしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
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