出典:石井 桃子,横内 襄『ちいさなねこ』/福音館書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ちいさなねこ』のご紹介です。
お家から飛びたした、子ねこの小さな冒険のお話。
外の世界は危険がいっぱい待ち受けています。
子どもは子ねこの目線になって、一緒に冒険気分!
ハラハラする展開に引き込まれちゃいますよ。
リアルなねこの仕草が愛らしい、ロングセラーの1冊です。
絵本『ちいさなねこ』の情報
『ちいさなねこ』のあらすじ
お家で飼われている、小さな子ねこ。
お母さんねこが目を離したすきに飛びだしました。
門をでて、どんどん走っていきます。
あっ、男の子が子ねこを捕まえた。
だけど、手を引っかいて逃げだしました。
そしてまた、どんどん走っていきます。
わ、あぶない!
自動車がきているよ。
間一髪、車はブレーキをかけて止まりました。
するとまたまた子ねこは走り出します。
おや、今度は向こうから大きな犬がやってきたよ。
犬に追いかけられた子ねこは、近くの木に上って緊急避難。
でも大きな犬は、木の下から離れようとしません。
このままじゃ、ずっと降りられないね。
どうしよう……
![chiisananeko.1 絵本「ちいさなねこ」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/chiisananeko.1.jpg)
絵本『ちいさなねこ』の内容と感想
福音館書店「こどものとも絵本」シリーズの1冊。
お家を飛びだした小さな茶トラねこの、小さな冒険物語です。
子ねこにとって外の世界は危険がいっぱい。
ページをめくるたびにハラハラドキドキ。
車の前に飛びだすシーンでは、思わず声がでてしまいます。
子どもは子ねこの気持ちになって、一緒に絵本で小さな冒険を楽しむのでしょうか。
絵も世界観もデフォルメのないリアルな描写。
昭和の町並みやレトロな雰囲気もすてきですね。
写実的に生き生きと描かれた動物たちは、まるで絵本のなかから飛びだしてきそう。
とくに小さな子ねこと、大きな犬が対峙する場面は迫力満点ですよ!
迎えにきたお母さんねこは、子ねこよりは大きいとはいえ、犬のほうがずっと大きい。
それでも愛するわが子のために勇敢に立ち向かう姿には、母の愛を感じます。
最後のやさしい表情からも、いいお母さんなのが伝わってきますね。
ひとりで飛びだしたら危ないよって、思ってくれるといいですけど……
ねこ好きなら大人も子どもも一度は読んでほしい、ロングセラー絵本です。
受賞歴
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
![chiisananeko.2 絵本「ちいさなねこ」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/chiisananeko.2.jpg)
子どもは走るどこまでも
子どもって目を離すと、すぐに飛びだしていっちゃいますよね。
絵本の子ねこみたいに、どこまでも走っていっちゃう。
何にでも興味津々で、広い世界が知りたがって。
好奇心旺盛なのも、楽しそうなのもいいんだけどね。
考えなしで飛びだしちゃうもんだから、親としては気が気じゃないんです。
ほんとお母さんねこの気持ちがよくわかる。
いずれ大きくなったら、自分の足で外の世界に踏みだす日もくるんだろうけど。
楽しいこともあり、ときには失敗したり傷ついたり。
そうやって、いろいろあるのが人生だよね。
だけどそれはもう少し先の話かな。
なんて言ってても、案外すぐだったりするのかもしれないね。
人も猫も、子どもの成長なんてあっという間なんだから。
うちの娘も、今は「ぱぱ、ぱぱ」って甘えてきてくれるけどさ。
「パパくさい」なんて煙たがられる日も、そう遠くないのかも……
以上、子ねこの小さな冒険のお話 ハラハラする展開が楽しい猫絵本『ちいさなねこ』のご紹介でした。
おしまい。
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