みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』のご紹介です。
てんぐちゃんの持ち物が何でもうらやまく感じてしまう、だるまちゃんのお話。
同じ展開の繰り返しが楽しい1冊です。
工夫するおもしろさ。
自分で見つけるよろこび。
そんなことを教えてくれる、ユーモラスでかわいらしいロングセラー絵本です。
絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』の情報
『だるまちゃんとてんぐちゃん』のあらすじ
仲よく遊んでいる、だるまちゃんとてんぐちゃん。
するとだるまちゃんは、てんぐちゃんのうちわが気になります。
「でんぐちゃんの ような うちわが ほしいよう」
おうちに帰って、お父さんのだるまどんにおねだりします。
だるまどんは、たくさんのうちわを持ってきてくれました。
だけど、だるまちゃんが欲しいうちわはありません。
考えただるまちゃんは、いいことを思いつきます。
ヤスデの葉っぱで、お手製のうちわをつくってご満悦。
次はてんぐちゃんの帽子が、そしてその次は履きものが気になります。
またおうちに帰って、だるまどんにおねだり。
だるまどんはたくさん集めてきてくれますが、やっぱりお目当てのものは見当たりません。
そして今度もいいことを思いついた、だるまちゃん。
帽子も履きものも、自分で考えて工夫します。
そして最後は、てんぐちゃんの赤くて長くて、とんぼが止まる鼻がほしいと言いだします。
さすがに、鼻は……みつかるかな……?
絵本『るまちゃんとてんぐちゃん』の内容と感想
福音館書店《こどものとも》傑作集の1冊です。
友だちのてんぐちゃんの持ち物を、うらやまく思うだるまちゃんのお話。
だるまちゃんの気持ちすごくわかりますよね。
だって、てんぐちゃんの持ち物は、どれも個性的で気になっちゃいますもん。
だけどだるまちゃんの発想力とひらめきも負けてませんよ。
うちわはヤスデの葉っぱで。
帽子はおわん、履きものは、おもちゃのまな板で。
それぞれ自分で見つけたり工夫してしまいます。
しかもこれ、よーくみてみると、ぜんぶ前のページにしっかり描かれているものなんですよね。
そしてそれを毎回ほめてくれる、てんぐちゃんのやさしさが素敵!
それになんといっても、みどころは並べられたたくさんの物。
うちわだと、日の丸の扇子や浮世絵の描かれたうちわがあったり。
帽子はキャップにベレー帽、コックさんの帽子や騎士の甲まで。
読み聞かせで一つひとつの「これは何かな?」と、考えていくのも楽しいですよ。
子どもの期待に応えようと、ちょっと空回りなパパのだるまどん。
みていて微笑ましいんだけど……なんだか、自分と重ねてしまって応援したくなります。
「だるまちゃん」シリーズの記念すべき第1作め。
発行部数は188万部のミリオンセラー作品*1。
自分でみつけること、工夫することの楽しさを教えてくれるユーモラスな1冊です。
続編・シリーズ作品
【「だるまちゃん」シリーズ】
- だるまちゃんとてんぐちゃん(1967年11月)
- だるまちゃんとかみなりちゃん(1968年8月)
- だるまちゃんとうさぎちゃん(1977年4月)
- だるまちゃんととらのこちゃん(1987年1月)
- だるまちゃんとだいこくちゃん(2001年1月)
- だるまちゃんとてんじんちゃん(2006年10月)
- だるまちゃんとやまんめちゃん(2014年5月)
- るまちゃんとにおうちゃん(2016年12月)
・雪だるまいろいろ 遊びがいっぱいつまった絵本『だるまちゃんとうさぎちゃん』
だるまちゃんを見習って
「隣の芝生は青い」なんて言葉もあるけれど。
ぼくたちは自分にないものに憧れてしまいますよね。
なんだか他人のものって、よく見えたりしちゃうもんだから。
子どももそうだけど、それは大人だって同じ。
みんな心に、だるまちゃんがいるんです。
でもね、足りないものを嘆いていたって仕方がない。
ないものは、ないんだから。
ほしいものが何でも手に入るわけじゃないからね。
ないものねだりで他人を羨むよりも、今あるものをどう活かすのかが大事。
だるまちゃんを見習ってさ。
工夫することで、人生って豊かになるんじゃないのかな。
アイデアしだいで、いくらでもおもしろくできるよね。
きっとその方が前向きに生きられるから。
毎日を楽しんで過ごせると思うんだ。
以上、工夫する楽しさを教えてくれる可愛らしい絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』のご紹介でした。
おしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
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