絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

工夫する楽しさを教えてくれる可愛らしい絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』

絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」の表紙出典:加古 里子『だるまちゃんとてんぐちゃん』/福音館書店

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』のご紹介です。

てんぐちゃんの持ち物が何でもうらやまく感じてしまう、だるまちゃんのお話。
同じ展開の繰り返しが楽しい1冊です。

工夫するおもしろさ。
自分で見つけるよろこび。

そんなことを教えてくれる、ユーモラスでかわいらしいロングセラー絵本です。

スポンサードリンク

絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』の情報

著者:加古 里子/作
出版社:福音館書店
出版年:1967年11月
ページ数:28ページ
おすすめ対象年齢:3歳4歳
読み聞かせ:3歳から

『だるまちゃんとてんぐちゃん』のあらすじ

仲よく遊んでいる、だるまちゃんとてんぐちゃん。
するとだるまちゃんは、てんぐちゃんのうちわが気になります。

「でんぐちゃんの ような うちわが ほしいよう」
おうちに帰って、お父さんのだるまどんにおねだりします。

だるまどんは、たくさんのうちわを持ってきてくれました。
だけど、だるまちゃんが欲しいうちわはありません。

考えただるまちゃんは、いいことを思いつきます。
ヤスデの葉っぱで、お手製のうちわをつくってご満悦。

次はてんぐちゃんの帽子が、そしてその次は履きものが気になります。
またおうちに帰って、だるまどんにおねだり。

だるまどんはたくさん集めてきてくれますが、やっぱりお目当てのものは見当たりません。

そして今度もいいことを思いついた、だるまちゃん。
帽子も履きものも、自分で考えて工夫します。

そして最後は、てんぐちゃんの赤くて長くて、とんぼが止まる鼻がほしいと言いだします。
さすがに、鼻は……みつかるかな……?

絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」の中身その1出典:加古 里子『だるまちゃんとてんぐちゃん』/福音館書店

絵本『るまちゃんとてんぐちゃん』の内容と感想

福音館書店《こどものとも》傑作集の1冊です。
友だちのてんぐちゃんの持ち物を、うらやまく思うだるまちゃんのお話。

だるまちゃんの気持ちすごくわかりますよね。
だって、てんぐちゃんの持ち物は、どれも個性的で気になっちゃいますもん。

だけどだるまちゃんの発想力とひらめきも負けてませんよ。

うちわはヤスデの葉っぱで。
帽子はおわん、履きものは、おもちゃのまな板で。

それぞれ自分で見つけたり工夫してしまいます。
しかもこれ、よーくみてみると、ぜんぶ前のページにしっかり描かれているものなんですよね。

そしてそれを毎回ほめてくれる、てんぐちゃんのやさしさが素敵!
それになんといっても、みどころは並べられたたくさんの物。

うちわだと、日の丸の扇子や浮世絵の描かれたうちわがあったり。
帽子はキャップにベレー帽、コックさんの帽子や騎士の甲まで。

読み聞かせで一つひとつの「これは何かな?」と、考えていくのも楽しいですよ。

子どもの期待に応えようと、ちょっと空回りなパパのだるまどん。
みていて微笑ましいんだけど……なんだか、自分と重ねてしまって応援したくなります。

「だるまちゃん」シリーズの記念すべき第1作め。
発行部数は188万部のミリオンセラー作品*1

自分でみつけること、工夫することの楽しさを教えてくれるユーモラスな1冊です。

続編・シリーズ作品
【「だるまちゃん」シリーズ】

  1. だるまちゃんとてんぐちゃん(1967年11月)
  2. だるまちゃんとかみなりちゃん(1968年8月)
  3. だるまちゃんとうさぎちゃん(1977年4月)
  4. だるまちゃんととらのこちゃん(1987年1月)
  5. だるまちゃんとだいこくちゃん(2001年1月)
  6. だるまちゃんとてんじんちゃん(2006年10月)
  7. だるまちゃんとやまんめちゃん(2014年5月)
  8. るまちゃんとにおうちゃん(2016年12月)
絵本「だるまちゃんとてんぐちゃん」の中身その2出典:加古 里子『だるまちゃんとてんぐちゃん』/福音館書店

だるまちゃんを見習って

「隣の芝生は青い」なんて言葉もあるけれど。
ぼくたちは自分にないものに憧れてしまいますよね。

なんだか他人のものって、よく見えたりしちゃうもんだから。

子どももそうだけど、それは大人だって同じ。
みんな心に、だるまちゃんがいるんです。

でもね、足りないものを嘆いていたって仕方がない。

ないものは、ないんだから。
ほしいものが何でも手に入るわけじゃないからね。

ないものねだりで他人を羨むよりも、今あるものをどう活かすのかが大事。

だるまちゃんを見習ってさ。
工夫することで、人生って豊かになるんじゃないのかな。

アイデアしだいで、いくらでもおもしろくできるよね。

きっとその方が前向きに生きられるから。
毎日を楽しんで過ごせると思うんだ。

以上、工夫する楽しさを教えてくれる可愛らしい絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』のご紹介でした。

おしまい。

*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。

この記事が気に入ったら いいね! してみよう

この記事が気に入ったら
 いいね! してみよう

シェアするツイートするブログの更新をプッシュ通知で受け取る

コメントを書く

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

FACEBOOKでコメントを書く