絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

ぬくもり溢れる動物たちのシェアハウス 寒い冬の定番絵本『てぶくろ』

絵本「てぶくろ」の表紙

出典:エウゲーニー・M・ラチョフ/『てぶくろ』/福音館書店

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『てぶくろ』のご紹介です。

おじいさんが落としていった手袋。
そこにいろんな動物たちがやって来ては「入れて」「どうぞ」の繰り返し。

やさしい動物たちの心があたたかくなる物語です。
読み聞かせはもちろん、子どもたちの劇の演目としても定番の作品。

寒い冬に読みたくなる、ポカポカとした絵本です。

絵本『てぶくろ』の情報

原題:РУКАВИЧКА
著者:ウクライナ民話/作 エウゲーニー・M・ラチョフ/絵 内田 莉莎子/訳
出版社:福音館書店
出版年:1965年11月
ページ数:16ページ
対象年齢:3歳から

『てぶくろ』のあらすじ

ある冬の寒い雪の日。
森を歩いていたおじいさんが手袋を片方落としてしまいました。

すると、くいしんぼねずみが手袋に潜りこみます。
「ここで くらすことに するわ」

そこへかえるが跳ねてきて言いました。

「ぴょんぴょんがえるよ。わたしも いれて」
「どうぞ」

お次はうさぎが走ってきました。

「はやあしうさぎさ。ぼくも いれてよ」
「どうぞ」

さらにきつね、おおかみ、いのししもやってきます。
みんな中に入って手袋はぎゅうぎゅう詰めです。

なんとさらに、くままでやってきて……
手袋はもう満員、今にもはじけそう。

すると手袋が片方ないのに気づいたおじいさんが戻ってきて……

絵本「てぶくろ」の中身その1出典:エウゲーニー・M・ラチョフ/『てぶくろ』/福音館書店

絵本『てぶくろ』の内容と感想

福音館書店「世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本」の1冊です。

おじいさんが落とした手袋に気がついて取りに来るまでの束の間の時間。
その短い間に繰り広げられた動物たちの楽しげなやりとりを描いた絵本。

最近流行りのシェアハウスを50年以上も前から先取りしているなんて驚きですね。

誰がきたって分け隔てなくあげるやさしい動物たち。
かえる、うさぎ、きつねと次々増えていく。

さらにオオカミ、イノシシ、クマと体のサイズも大きくなって。
手袋は大丈夫かなとページをめくるたびにハラハラしてしまいます。

ねずみやカエルならわかるけど……
手袋の中にイノシシやクマが入れるわけないよ、と思わず突っ込みをいれたくなりそう。

だけどそれを言うのは野暮というもの。
あまり細かいことは気にしないのが人生を楽しむコツですよね。

物語が進むたびになぜかデッキやはしご、窓までついて。
手袋がリフォームされていく様子はみているだけでワクワクしてきます。

前のページとどこが変わったのかなんて間違い探しをしてみたり。
そうやっていろんな楽しみ方ができるのも『てぶくろ』の楽しみ方のひとつです。

発行部数は309万部(※トーハン「ミリオンぶっく2017年版」より)のトリプルミリオン。
なんと日本で4番目に売れている絵本なんですって。

冬に定番の1冊。
みんなに大人気のロングセラー絵本です。

受賞歴

  • 厚生省中央児童福祉審議会推薦
  • 全国学校図書館協議会選定
  • 日本図書館協会選定
  • 大阪市立中央図書館選定
絵本「てぶくろ」の中身その2出典:エウゲーニー・M・ラチョフ/『てぶくろ』/福音館書店

分かち合うということ

分かち合いの精神って、ぼくたちが生きていくうえで大切なこと。
共有することで足りないものを補ったり、相乗効果をもたらしたり。

みんなが必要以上に持つとすぐに足りなくなるけど。
大抵のものは分け合えば十分足りるんだから。

「自分だけ」じゃなく「みんなで」
そんなふうに誰もが思えれば、きっと世界は明るくなりますよね。

絵本の動物たちみたいに「入れて」と言えばすぐに「いいよ」と返ってくる。
とてもやさしくて、ぬくもりを感じる関係性。

物だけじゃなく心だって一緒です。

自分ひとりだけが良ければいいんじゃなくて。
喜びや幸せだってみんなで分け合ったほうが絶対いい!

楽しさを分かち合えば掛け算になって。
悲しさを分かち合えば割り算になる。

ひとりよりふたり。
ふたりより3にん。

ぼくたちはひとりじゃない。
みんなで集まれば、それだけ大きな力になるんだから。

まあ、絵本の手袋はちょっと入りすぎな気もしますけどね……

以上、ぬくもり溢れる動物たちのシェアハウス 寒い冬の定番絵本『てぶくろ』のご紹介でした。

おしまい。

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