出典:ジュリー・フォリアーノ,エリン・E・ステッド『あ、はるだね』/講談社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『あ、はるだね』のご紹介です。
主人公の男の子やお供の動物たち。
みんなで一緒に春の訪れをゆっくりと感じられる素敵な絵本。
待つ時間を楽しくしてくれる爽やかな作品。
春を待つ季節にじっくりと読みたくなる1冊です。
絵本『あ、はるだね』の情報
著者:ジュリー・フォリアーノ/作 エリン・E・ステッド/絵 金原 瑞人/訳
出版社:講談社
出版年:2015年2月
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳から
『あ、はるだね』のあらすじ
辺りは一面、冬枯れた景色。
どこもかしこも茶色の世界。
ひとりの男の子が種を植えます。
日が出ても雨が降っても、まだ茶色。
何度見てもよーく見ても、まだまだ茶色。
ちゃんと芽を出すかな?
鳥が食べちゃったりしないかな?
心配そうな男の子。
だけど土の中ではちゃんと種は根を伸ばしていますね。
一週間、また一週間。
それから、また一週間と。
だんだん緑っぽくなってきてる気がするけど……
種はまだ芽を出ないのかな。
たっぷり時間を欠けて、少しづつ力を蓄えて。
さあ、そろそろ準備ができたかな……?。
![a.harudane.1 絵本「あ、はるだね」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/04/a.harudane.1.jpg)
絵本『あ、はるだね』の内容と感想
茶色ばかりの景色を緑に変えようと、男の子が奮闘します。
種を植えて、大きな植木鉢を運んで。
お供は犬とカメ、そしてウサギ。
みんなで一緒に緑を待ちます。
ニンジン、枝豆、トマトにピーマン、ひまわり。
いろんな野菜やお花の種を植えました。
まだかな、まだかな。
ページをめくるたびに待ち遠しさが高まって。
芽が出て、実をつけて。
想像するだけでワクワクと楽しい気分になりますね。
「どしどし あるきまわらないで ください。たねは いっしょうけんめいです」
クマに向けた立札も可愛らしい。
内容はもちろん、やわらかいタッチのイラストも素敵なんだけど。
個人的に『あ、はるだね』というタイトルがすごくお気に入り。
ずっと待っていたんだから「やったー!春だー!」くらいのテンションてもいいのにね。
だけど「あ、はるだね」と、力の抜けた感じがなんともいい!
そんなところも含めて春らしいなと感じさせてくれる軽やかな1冊です。
アメリカの絵本賞、コルデコット賞受賞作家コンビによる絵本第二弾。
ワシントンポストやウォールストリートジャーナルで紹介され、ベストセラーになった人気作。
春がくるのが楽しみになる絵本です。
![a.harudane.2 絵本「あ、はるだね」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/04/a.harudane.2.jpg)
「待つ」を楽しもう!
不思議なもので、楽しみなことほどなかなかやってこなくて。
待ち遠しくすればするほど、ゆっくり感じてしまいます。
まさに3歩進んで2歩さがる状態。
その緩慢さにヤキモキしてしまうこともしばしば。
「はやく! はやく!」
ついつい焦ったり、ときにはイライラしたり。
絵本の男の子のように不安になってしまったり。
だけどいくら急かしたところでどうせ早くはならなくて。
いちいち気にしてモヤモヤしているのが損というもの。
それならいっそ待つ時間を楽しんでしまえばいいんですよね。
いろいろ便利になって、何でもスピードを求められる時代です。
なにかと忙しない世の中ですからね。
ときにはゆっくりのんびりと、その余白を楽しむ心のゆとりも大切です。
人生は楽しんだもの勝ちですからね。
それにね、待つ時間が長ければ長いほど、そのぶん喜びも大きいんだから。
以上、ゆっくりのんびり 期待に胸をふくらませる春待ち絵本『あ、はるだね』のご紹介でした。
おしまい。
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