![100mankaiikitaneko 絵本「100万回生きたねこ」の表紙](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/100mankaiikitaneko.jpg)
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『100万回生きたねこ』のご紹介です。
100万回も死んで、100万回も生きたねこのお話。
誰も愛することがなかったをねこが、愛を知り、命の尊さに気づきます。
生きること、愛することとは何かを考えさせられる1冊。
切なく奥深い、心を揺さぶる感動作。
子どもだけでなく、大人からも大人気のロングセラー絵本です。
絵本『100万回生きたねこ』の情報
『100万回生きたねこ』のあらすじ
100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。
あるときは王様に飼われ、そしてまたあるときは船乗りに。
サーカスの手品使い、泥棒、おばあさん、女の子……
100万人の人が、その猫をかわいがり、100万人の人が、その猫が死んだときに泣きました。
だけど、ねこは1回も泣きませんでした。
ねこが好きなのは自分だけ、誰も愛することがなかったのです。
あるとき、ねこは誰にも飼われず、野良猫になりました。
ねこは100万回も生きた立派なトラ猫です。
メス猫たちはこぞって、ねこのお嫁さんになりたがります。
だけどそのなかの1ぴきだけ、ねこに見向きもしない白猫がいました。
そっけない態度をとる、その美しい猫に魅せられます。
なんとか興味を引こうとするうちに、2ひきのねこは共に過ごすように。
やがて子どもが生まれ、自分よりも大切な家族を持ちました。
100万回死んでも悲しくなかったねこは、はじめて愛することを知ります。
そして……愛する者を失う悲しみを知り、涙を流すのです。
朝になっても昼になっても夕方になっても夜になっても……猫は100万回も泣き続けました。
そして、とうとう白ねこの隣で動かなくなり、決して生き返ることはありませんでした。
![100mankaiikitaneko.1 絵本「100万回生きたねこ」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/100mankaiikitaneko.1.jpg)
絵本『100万回生きたねこ』の内容と感想
100万回も死んで100万回も生きたトラねこが、愛を知る物語。
涙なしでは読めない、儚く切ない感動のお話です。
シンプルなストーリーながら奥深い1冊。
白ねこを抱えて涙するシーンは、胸をギュッと締めつけられるようです。
誰も愛さずにずっと生き続けて。
100万回死んでも同じ数だけ生きたきた。
そんなねこにとって、命の価値なんてちっぽけなもの。
死ぬことも、生きること自体もなんとも思っていなかった。
だけど、はじめて生きたいと思えたんです。
それはずっと一緒に生きたいと思える相手に出会えたから。
愛を知り、命の尊さを知る。
最後の最後に大切なものに気づくことができたよね。
いや、気づいたからこそ終われたのかな。
だれかを愛せるというのは幸せなこと。
そんなことを思わせるせ素敵な作品です。
子どもへの読み聞かせだけでなく、大人になって読みたい絵本。
発行部数は220万部のダブルミリオンセラー*1。
人生の節目のたびに何度も読み返したくなる不朽の名作。
きっと読むたびに、新しい表情をみせてくれますよ。
受賞歴
- 日本図書館協会選定図書
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 中央児童福祉審議会推薦図書
![100mankaiikitaneko.2 絵本「100万回生きたねこ」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/06/100mankaiikitaneko.2.jpg)
100万分の1回の人生
よく富や権力を手に入れた人が、永遠の命を望むなんて物語がありますよね。
だけどさ、死なないと言うのは、とてもつらいことなんじゃないのかな。
大切な人がどんどん年老いて。
愛する人たちがみんな亡くなっていって。
自分だけが歳をとらず、生き続ける。
そしてそんなつらい思いを、何度も何度も繰り返すことになるんだから。
想像するだけで心が苦しくなりますね。
そんなもの全然ほしいとは思わないけどなあ……
べつにぼくだって死にたいわけじゃない。
もちろん長く生きたいとは思います。
だけどね、それは決して「ひとり」ではないんです。
大切な人たちと一緒に歳を重ね、ともに歩む道のりこそ意味があるんです。
そういう意味でも、100万回生きたねこはずっと虚しかったんだろうな。
悲しい終わり方のようだけど、最後は愛する白ねこ一緒に逝けて、幸せだったんじゃないのかな。
もちろんぼくたちは、1度きりしか生きられなくて。
限られた命のなかで、有限の時間のなかで。
やり直しのきかない人生を後悔しないためにもさ。
ただ自分の人生を、精一杯生きるしかないんだよね。
以上、愛と感動のロングセラー絵本 不朽の名作『100万回生きたねこ』のご紹介でした。
おしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
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