絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

得意なことを活かせばいい! 働く車たちの傑作絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』

絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」の表紙

出典:渡辺 茂男,山本 忠敬『しょうぼうじどうしゃじぷた』/福音館書店

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』のご紹介です。

子どもの大好きな「働く車」をモチーフにした絵本。

いつもはみんなからバカにされるちびっこ消防車。
そんなのじぷたが、自分の持ち味を活かして大活躍するお話です。

「だれにでだって得意なことはある」
「どこかに活躍できる場所がある」

そんなメッセージが込められた素敵な物語。

50年以上も変わらずに愛され続けるロングセラー。
子どもたちに大人気の乗り物絵本です。

絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』の情報

著者:渡辺 茂男/作 山本 忠敬/絵
出版社:福音館書店
出版年:1966年6月
ページ数:28ページ
対象年齢:4歳から

『しょうぼうじどうしゃじぷた』のあらすじ

ある町の消防署に、はしご車ののっぽくんと、高圧車のばんぷくんと、救急車のいちもくさんがいました。
火事が起こると、大きくて立派なみんなは大活躍するのです。

そんな消防署のすみっこに、古いジープを改良したちびっこ消防車のじぷたがいました。
じぷたは働き者だけど、小さいので出動するのはボヤの時だけ。

町の子どもたちは、活躍する3台のばかりに注目して、小さくて地味なじぷたには見向きもしません。
みんなじぷたを馬鹿にしていて、じぷたは悲しい思いをしていました。

ある日、隣村から出動要請が入ります。
山小屋が火事になってしまい、早く消さないと山火事になってしまいます。

だけど山の上まではしご車では届きません。
高圧車は細い道を通れず、救急車もまだ必要ありません。

署長さんはじぷたの方に目を向けます。
「よし、じぷただ。たのむぞ!」

さあ、じぷたの大活躍のはじまりです。

絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」の中身その1出典:渡辺 茂男,山本 忠敬『しょうぼうじどうしゃじぷた』/福音館書店

絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』の内容と感想

子どもたちの大好きな「働く車」をモチーフに描きつつ。
届けたい優しいメッセージがきちんと込められている。

楽しみながら心を育てる、まるで絵本の見本のような作品です。

大きくないし、長いはしごもないし、ケガをした人を運ぶこともできません。
だけどそんなじぷたにしかできないことがあるんですね。

狭い道も険しい山道も、いつもは笑われていた小ささがプラスになる。

だれにでも得意、不得意はあるものですから。
長所や短所なんて、状況が変われば逆転することだってありますもんね。

光が当たらなくともずっと真面目にがんばってきた。
そんなじぷただからこそチャンスを活かせたんです。

けっして子どもだけの絵本ではなく、大人になっても読んでほしい傑作絵本。
読み聞かせをとおして一緒になって楽しんでほしい1冊です。

発行部数は209万部(※トーハン「ミリオンぶっく2017年版」より)のダブルミリオンセラー作品。
2004年には「Jeeper the Fire Engine」というタイトルで英語版にも翻訳されています。

受賞歴
・全国学校図書館協議会選定「必読図書」

絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」の中身その2出典:渡辺 茂男,山本 忠敬『しょうぼうじどうしゃじぷた』/福音館書店

「ナンバーワン」ではなく「オンリーワン」

ぼくたちはつい比べる必要のないものを比較してしまう。

だれが1番だとか
だれがだれより優れているだとか。

勝手に順位をつけて、意味のない勝ち負けを争ったりして。
ただ違いがあるだけ、上も下もないもないのにね。

目立つところ、わかりやすいところにばかり注目が集まってしまうけれど。
それぞれ力を発揮できる場面が違うだけなんですよね。

のっぽくんに、ばんぷくん、いちもくさんばかりが評価されがちだけど。
じぷたのように活躍できる場面がちゃんと用意されている。

比較して優劣をつける必要なんてなくて。
みんなで協力して、足りないところを補い合えばいいんだから。

たくさんのことができるとか。
他より多く持っているとか。

そんなことで人の価値は決まらない。

だれかを貶めたりしなくていい。
自分を嫌いになんてならなくていい。

いつか輝ける場所が見つかるよ。
じぷたみたいに自分を誇れる日がきっと来るから。

みんな違ってみんないいんだからね。

以上、得意なことを活かせばいい! 働く車たちの傑作絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』のご紹介でした。

おしまい。

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