出典:五味 太郎『つくえはつくえ』/偕成社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『つくえはつくえ』のご紹介です。
机の狭さに悩む男の子のお話。
新しい机は広すぎて……みんなの遊び場になっちゃった!
「ちょうどいい」って何だろう?
そんなことを考えさせられる、にぎやかな1冊。
自由な発想が楽しい机の絵本です。
絵本『つくえはつくえ』の情報
『つくえはつくえ』のあらすじ
男の子の机の上は散らかってゴチャゴチャ。
「なんだか つくえ せまい きがする」
すると「ひろい つくえを つくって やろう!」とお父さん。
できあがった机は、とても広い机でした。
たしかに広い。
だけど、ちょっと広すぎな気もする。
すると……
「こんなに ひろいと たのしく あそべるよ」
たくさんの人が広い机の上に遊びにきました。
男の子も机の上に登って遊びはじめます。
どんどん集まってきてキャッチボールや縄跳び、スケボーやトランプ。
なにしろ広いから、何だってできるんです。
だけど、ますます人が増えてぎゅうぎゅうに。
広い机が狭くなるぐらい人で溢れてしまって……
絵本『つくえはつくえ』の内容と感想
グレーの背景で統一された落ち着いた色合い。
だけど次から次へと集まってくる人、人、人!
にぎやかを通り越して、最後には文字が隠れてしまうほど。
ページいっぱい人で埋め尽くされて、もう何が書いてあるのかも読めません!
しかも広い机の上では、みんなそれぞれ好きな遊びでやりたい放題。
「この子たちは何をしているのかな?」
一人ひとり眺めているだけもじっくりと楽しめる絵本ですよ。
たしかに机にはある程度の広さがほしいけどね。
ものには限度というものがあるんです。
広くなりすぎた机は机として使ってもらえない。
こんなに広いと、これはもう机と言えないのかも。
みんなの遊び場になってしまって、机としては逆に狭くなってしまった……
「過ぎたるは及ばざるがごとし」なんて言葉もありますしね。
何にでも「ちょうどいい」があるんです。
机には机のちょうどいい広さがある。
そんなことをしみじみ考えさせられますよ。
絵本らしい常識にとらわれない自由な発想は魅力の1冊。
そして頭を柔軟にして読むのが絵本の楽しみ方。
子どもの注文に応えてすぐに机をつくっちゃうパパもかっこいいですね!
「ちょうどいい」って何だろう?
広ければ広いほどいい。
大きければ大きいほどいい。
そんなふうに多くを求めてしまいがち。
もっともっとと、ぼくらはつい欲張りになっちゃう。
だけどね、なんでも多ければいいというものでもないんです。
広すぎる机が狭くなっちゃうみたいにね。
なんにでも「ちょうどいい」があるんです。
必要以上に求め続ける必要なんてないんです。
大事なのは自分にとって何が必要なのか、どれだけ必要なのか。
他人がどうかは関係なくてね。
「ちょうどいい」ってさ、大抵のものはぼくらが思っているよりずっと少ないんじゃないのかな。
ほんとうはね、たくさんは必要ないんだよ。
多くなればそれだけ煩わしさだって増えたりするしね。
これから自分なりの「ちょうどいい」を手探りでみつけていけばいいんだよ。
狭ければ広くすればいい、広すぎればまた狭くすればいい。
机と一緒で、何度だってつくり直していいんだからさ。
以上、「ちょうどいい」って何だろう? 自由な発想が愉快な絵本『つくえはつくえ』のご紹介でした。
おしまい。
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