絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

自分が嫌いなあなたへ ちょっぴり自分が好きになれるロングセラー絵本『まっくろネリノ』

絵本「まっくろネリノ」の表紙

出典:ヘルガ・ガルラー『まっくろネリノ』/偕成社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『まっくろネリノ』のご紹介です。

生まれつき体が真っ黒であることを悩むネリノ。
その黒さを活かしてネリノが大活躍するお話です。

「あなただからできることがある」
「短所も活かせば長所になる」

まるでそんなメッセージを届けてくれているみたい。

コンプレックスに悩んでいる人に読んでほしい。
自分に自信が持てずにいる子どもに読んであげてほしい1冊。

世界中で愛されているロングセラー絵本です。

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絵本『まっくろネリノ』の情報

原題:Der Kleine Nerino
著者:ヘルガ・ガルラー/作 矢川 澄子/訳
出版社:偕成社
出版年:1973年7月
ページ数:24ページ
対象年齢:3歳から

『まっくろネリノ』のあらすじ

あるところに鳥の家族が暮らしていました。
おとうさん、おかあさん、それに子どもが5ひき。

みんなきれいでカラフルな色をしていました。
だけど末っ子のネリノだけはまっくろくろ。

とうさんとかあさんは毎日エサ探しで忙しく、兄さんたちは真っ黒なネリノとは遊んでくれません

だからネリノはひとりぼっち。
いつも悲しい思いをしています。

悩んだネリノは色とりどりのお花にきれいな理由を訪ねてみたり。
きれいな色になれる薬を探してみたり……

そんなある日、ネリノの兄さんたちが行方不明になってしまいます。
なんと、きれいだからと鳥かごに捕らえられていたのです。

「どうしたら すくってあげられるだろう」
考えたネリノはある作戦を思いつきます。

そうだ、ネリノならだいじょうぶ。
まっくろくろで、夜なら誰にも見つかりっこない。

日が暮れるのを待って、さあ大急ぎです。
さてさて、ネリノは無事に兄さんたちを救出できるのでしょうか?

絵本「まっくろネリノ」の中身その1出典:ヘルガ・ガルラー『まっくろネリノ』/偕成社

絵本『まっくろネリノ』の内容と感想

家族でひとりだけ体の真っ黒なネリノ。
そんな自分が好きになれずに、自分を変えたいと願っている。

だけどその黒さを活かして、捕らえられた兄さんたちを助けだします。

いつも冷たくされていても迷わず助けてあげる。
危険をかえりみないその姿から、ネリノの優しさが伝わってきます。

大切な家族を救出できて、コンプレックスだった体の色もこのときばかりは誇らしく思えたよね。
嫌いだった黒い体も、少しは好きになれたかな?

「あなたにはあなただからできることがある」
絵本の中にはそんなやさしいメッセージが詰まっています。

ついつい「私なんて」と口にしちゃうに人に読んでほしい作品です。
読み終わったあとはちょっぴり自分が好きになれるかも?!

黒を基調としたパステル画が美しい絵本。
世界中で長く愛されている素敵な1冊です。

受賞歴

  • オーストリア児童文学賞
  • 児童福祉審議会特別推薦
絵本「まっくろネリノ」の中身その2出典:ヘルガ・ガルラー『まっくろネリノ』/偕成社

そのままの君でいい

誰にだってコンプレックスのひとつやふたつはあるものですよね。

背が低いのが悩みとか、自分の性格が嫌いだとか。
他人ををみて羨んだり、ないものねだりで自分を否定してみたり。

そういう劣等感みたいなものって、ときとして成長するための原動力になることもあるんだけどね。

それでも、努力だけではどうにもならないこともあって。
変えられるものと変えられないものがたしかにあって。

「ありのままの自分」を受け入れることも必要になってきます。
でもね、だからといってコンプレックスそのものがダメなわけではないんです。

長所は短所にもなるし、反対に短所が長所になることだってあるんだから。
出る杭は打たれるという言葉もあるように、ネリノの兄弟たちみたいにきれいだからこそ捕まってしまうことだってあります。

どんなことだっていいことばかりではない。
完ぺきなものなんてどこにもないから。

みんな一長一短、それぞれ違いがあって、だからこそ自分にしかできないこともある。

足りないものを探すのはやめにしよう。
まわりを羨んで苦しい思いをするのはもうおしまい。

違う誰かにはなれないし、自分をやめることもできないしね。

大切なのは今あるものをどう活かすか。
絵本のネリノみたいに自分を活かせる場所が必ずあるから。

大丈夫、これで良かったときっと思えるよ。
いつか自分自身を肯定できる日がくるから。

以上、自分が嫌いなあなたへ ちょっぴり自分が好きになれるロングセラー絵本『まっくろネリノ』のご紹介でした。

おしまい。

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