絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

やさしい光が降りそそぐ 小さな幸せを届けてくれる素敵な絵本『きょうはそらにまるいつき』

絵本「きょうはそらにまるいつき」の表紙

出典:荒井 良二『きょうはそらにまるいつき』/偕成社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『きょうはそらにまるいつき』のご紹介です。

赤ちゃんから、おじいさんにおばあさん。
森の動物たちや海のクジラまで。

やさしい月の光が町の人にも自然のなかの動物にも分け隔てなく降りそそぐ。

「みんなつながっているんだよ」
そんな言葉を語りかけくれているようなあたたかい1冊。

第22回日本絵本賞大賞の受賞作品。
心にスーッと染み込んでくる素敵な絵本です。

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絵本『きょうはそらにまるいつき』の情報

著者:荒井 良二/作
出版社:偕成社
出版年:2016年9月
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳から

『きょうはそらにまるいつき』のあらすじ

みんなが集まる夕暮れ時の公園。
乳母車の中から赤ちゃんが空を見上げます。

きれいな満月が輝いていますね。
きょうはそらにまるいつき。

バレエの練習帰りでバスの中にいる女の子。
遠い山の中、たくさん遊んだ帰り道のクマの親子。

ふと空を見上げてみれば明るい光。
きょうはそらにまるいつき。

町に暮らす人たちの上にも。
どこかの海で飛び跳ねているクジラの上にも。

いろんな人が、いろんなところでお月さまをみています。
みんなの夜に、それぞれの夜に、やさしい光がふりそそぐ。

きょうはそらにまるいつき。
ごほうびのようなおつきさま。

絵本「きょうはそらにまるいつき」の中身その1出典:荒井 良二『きょうはそらにまるいつき』/偕成社

絵本『きょうはそらにまるいつき』の内容と感想

夜空を見上げる人々や動物たち。
そしてみんなをやさしく照らすお月さま。

「きょうは そらに まるいつき」の繰り返しが楽しい絵本。

バレエの練習帰りの女の子、新しい運動靴を買った男の子。
閉店間際の洋裁店に、ギターの練習をしている男性。

夕食の後片付けをするおじいさんとおばあさん。

前のページの主役が次のページでは遠くのほうに小さく写り込んでいたりと。
描かれている場面は別々のようでつながっていて、同じ人や町並みが何度も登場します。

山にいるクマの親子、公園に集まったネコたち。
遠くの海でジャンプするクジラの上にも、まるい月が輝いています。

どこにいたって、誰の上にだって夜の空にはお月さま。
そのやさしい光はみんなのものですから。

町の灯りや風景が、あたたかみのある美しい油絵で描かれています。
公園ではお祭りがはじまっていたりと、人々の暮らしも丁寧に表現されていますね。

細部のちょっとしたところまで描き込まれているので、読み返すびに新しい発見や出会いがありますよ。
ふと夜空を見上げたくなるような素敵な絵本です。

受賞歴

  • 第22回日本絵本賞 大賞
  • 第8回ようちえん絵本大賞 特別賞
絵本「きょうはそらにまるいつき」の中身その2出典:荒井 良二『きょうはそらにまるいつき』/偕成社

かけがえのない日常

何気なく夜空を見上げたとき。
そこにきれいな満月が浮かんでいたら、なんだかちょっと得した気分になったりしませんか?

絵本の登場人物たちもきっと少しだけ気持ちが高まったんじゃないのかな。
もしかしたらクマの親子やネコたちだって、心の中では「お、満月じゃん」なんて思っていたのかも。

そんなふとした瞬間に訪れる小さなしあわせ。
日常の中にある、よろこびの種。

些細なことなんだけどね、大切にしたい想い。
日々の生活のなかで、ついつい今の暮らしが当たり前だと錯覚してしまうから。

当たり前の毎日なんてないのにね。

絵本にも描かれているたくさん人たちの営み。
その平凡でありふれた日常こそが、かけがえのないもの。

「もっとお金があれば」
「もっと幸せになりたい」

そうやっていろいろ多くを望んでしまうけど。
いろんな幸運が重なって今の暮らしがあることを、心にとめておかなくちゃいけないよね。

ぼくたちが生きている。
ただそれ自体が奇跡みたいなものなんだから。

以上、やさしい光が降りそそぐ 小さな幸せを届けてくれる素敵な絵本『きょうはそらにまるいつき』のご紹介でした。

おしまい。

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