絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

みんな違ってみんないい 子どもたちの心の声を描いた絵本『はやくはやくっていわないで』

絵本「はやくはやくっていわないで」の表紙

出典:益田 ミリ,平澤 一平『はやくはやくっていわないで』/ミシマ社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『はやくはやくっていわないで』のご紹介です。

小さな船と、心情を表現したような、カラフルな背景の海。
そして短い言葉とともに「子どもたちの心の声」を描いた1冊。

「一人ひとり違っていていい」
「あなたはあなたのままでいいんだよ」

そんなやさしいメッセージを届けてくれます。

子どもだけじゃなく大人も励まされる、心あたたまる作品。
ぜひ、親子で一緒に読んでほしい1冊です。

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絵本『はやくはやくっていわないで』の情報

著者:益田 ミリ/作 平澤 一平/絵
出版社:ミシマ社
出版年:2010年11月
ページ数:49ページ
おすすめ対象年齢:4歳5歳6歳大人
読み聞かせ:3歳から

『はやくはやくっていわないで』のあらすじ

広い海のなかを小さな船が進みます。
まわりを行き交う大きな船や、色とりどり姿形の違う魚たち。

一つひとつ進む速さは違います。
大きさも重さも違います。

だからね。
「はやくはやくっていわないで」

比べられるとドキドキする。
不安になって悲しくなる。

まるで氷の海のなかみたいにひんやりする。

一つひとつ違って当たり前。
できることも、できないことも違います。

「どうして できないの?」って、きかないで。

引っぱらないで、押さないで。
「はやくはやくっていわないで」

ゆっくり行くよ。
ゆっくりおいで。

待っててくれる?
待ってるよ。

絵本「はやくはやくっていわないで」の中身その1出典:益田 ミリ,平澤 一平『はやくはやくっていわないで』/ミシマ社

絵本『はやくはやくっていわないで』の内容と感想

「はやくしなさい!」
「どうしてできいないの!」

軽はずみに子どもに投げかけてしまう言葉。

「あの子はできるのに」
「みんな、もうやっているのに」

そうやって他の子と比べたり。
よくないことだとわかっていても、つい言ってしまうママやパパも多いのではないでしょうか。

誰だって比べられたら嫌な気持ちになる。
不定されて、認めてもらえないと不安になる。

そんな子どもたちの心の動きを、短い言葉で表現した絵本。
心情を表現したような、カラフルな海を背に進む船とともに描いた1冊です。

けっして絵本のなかだけではない、子どもたちの心の声。
まだ自分の思いをじょうずに伝えられない、子どもの気持ちを代弁してくれているようです。

そして大人も改めて考えさせられますね。

親だってけっして怒りたいわけでも、傷つけたいわけでもない。
ママやパパだって余裕をなくしているだけなんです。

「ちゃんと育てなきゃ」
「いい親にならないと」

そんなふうに頑張りしぎてしまったりしてね。

子育てだって、方法も正解もひとつじゃないんですよね。
読み聞かせでは、子どもだけじゃなく親も勇気をもらえる内容です。

「一人ひとり違っていていい」
「自分は自分でいいんだよ」

絵本をとおして、そんなやさしいメッセージを届けてくれる、心あたたまる絵本。

最近、育児でイライラしているな、と感じるママやパパにもおすすめ。
ぜひ、子どもと一緒に読んでほしい1冊です。

受賞歴
・第58回産経児童出版文化賞受賞

絵本「はやくはやくっていわないで」の中身その2出典:益田 ミリ,平澤 一平『はやくはやくっていわないで』/ミシマ社

ママ! パパ!「はやくはやく」って言わないで

人と比べられたら嫌。
知っているのにどうして比べちゃうんだろう?

一人ひとりそれぞれ違う。
わかっているのにどうして比べちゃうんだろう?

わが子のこととなると、無自覚になってしまうのが親心ってものなんでしょうか……

「はやくしなさい!」
いつも急かしたり。

「言われたとおりにしなさい」
なにかと親の考えを強制したり。

当たり前のように、子どもに親の都合ばかりを押しつけたりしてね。

まあ、仕方のない部分もあるんだろうけど。
大人には大人の都合があるんだから。

だけどさ、子どもにだって、子どもなりの都合がある。
頭ごなしに否定されたら、誰だって悲しく感じちゃうよ。

たしかに親には子どもを育てる責任があるんだけど。
でもそれは「ちゃんと」育てなきゃいけない責任でも、親の思い通りに育てていい権利でもないんだから。

「いいから言うことをききなさい」
なんて、よけいに反発しちゃいますよね。

大人同士や友だち相手には、ぜったいそんな言い方にしないのに。

子どもはさ、わかってほしいだけ。
ママやパパに受けとめてほしいだけなんだよ。

それは、子どものワガママを無条件に聞き入れるってことではなくてね。

子どもだって、ちゃんと感じて考えているんだから。
大事なことはさ、どんなに幼くたって「対等なひとりの人間として接する」ことなんじゃないのかな。

以上、みんな違ってみんないい 子どもたちの心の声を描いた絵本『はやくはやくっていわないで』のご紹介でした。

おしまい。

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