出典:くすのき しげのり,ふるしょう ようこ『ええところ』/学研
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ええところ』のご紹介です。
「自分のいいところってどこだろう?」
「わたしなんてどうせダメなんだ……」
そんなふうに自分に自信を失くしたときに読んでほしい。
「何だかうまくいかないなあ……」
と、落ち込んでいる人におすすめしたいやさしい1冊です。
「自分に自信を持っていいんだよ」
絵本から伝わるメッセージで心が軽くしてくれます。
思いやりと自己肯定感を育む、あたたかい絵本です。
絵本『ええところ』の情報
出版社:学研
出版年:2012年1月
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から
『ええところ』のあらすじ
あいちゃんは背は低いし、力も弱い。
走るのも遅いし、声も小さい。
100点なんて1回もとったことがありません。
自分に「ええところ」がないと悩んでいます。
ある日、学校の帰り道でお友達のともちゃんに聞いてみました。
「あたしの ええところ おしえて!」
ともちゃんは「えーっとなあ」と悩んだ末に、明日までに考えてくると言って帰ってしまいます。
「あったよ!あいちゃんの ええところ」
次の日の朝、ともちゃんが駆けよってきて手を握ります。
「あいちゃんの て、ものすごく あったかい」
大きな声で自慢するものだから、クラスのみんなが集まって順番に握手。
掃除のあと、あいちゃんはバケツの水で冷たくなったお友達の手をあたためてあげます。
みんなの手をあたためてあげていたせいで、あいちゃんの手は冷たくなってしまいました。
「あたしの ええところが なくなってしもた……」
あらら、あいちゃんの「ええところ」は、ほんとになくなっちゃったのかな……?
絵本『ええところ』の内容と感想
不安、自分への自信のなさ。
子どものゆれうごく自己肯定感。
そんな小学生の女の子の心に寄り添うやさしいお話です。
淡い色づかいのイラスト。
関西弁の会話がよりいっそうあたたかい雰囲気を与えてくれます。
自分のことを受け入れる勇気。
自分自身を愛する気持ち。
思いやりや友情。
いろんなメッセージが詰まった素敵な絵本です。
最終的に自分の「ええところ」と一緒に、ともちゃんの「ええところ」も発見する。
誰にだっていいところも悪いところもあるものですから。
悪いところに目を向けると悪いことばかりが見えてきます。
いいことに目を向けると、自分だけでなくまわりのいいところにも気がつくようになるんですね。
あいちゃんのよさはいろいあるけど、ともちゃんみたいな素敵な友だちがいるのも取柄のひとつですね。
不安を感じている子どもへ読み聞かせあげてほしい。
大人だって自分に自信がなくなってしまったときに読んでほしい。
心がフッと軽くなるようなやさしい1冊です。
続編である『へなちょこ』ではともちゃんが主人公なので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
続編・シリーズ作品
・へなちょこ(2013年2月)
自分を愛してあげよう
「自分に自信がありますか?」
そんなことを聞かれたときにどれくらいの人が「はい!」と答えられるかな?
きっとあまり多くはないですよね。
「だって大したこともできないし」
「私なんてぜんぜんダメだから」
そんなふうに否定してしまうんじゃないのかな。
絵本のあいちゃんに限らず、大勢の人が自分に自信がもてずにいる。
その気持ちをバネにして、努力するのも大切だと思うし素敵なことなんだけどね。
もう少し今の自分を認めてあげてもいいんじゃないのかな。
もっと自分のことを愛してあげようよ。
ぼくたちは他の誰かにはなれないから。
ずっと自分と付き合っていかなくちゃいけないんだから。
自分を嫌ったまま生きるなんて悲しいよ。
もっと自分に自信をもって生きていこう。
人とちがう何かができるとか。
他より多く持っているとか。
そんなことで人の価値は決まらないから。
あいちゃんも、ともちゃんも。
ぼくだって、あなただって。
みんなそれぞれ、その人だからこその価値がある。
一人ひとりが、他に変わりのいないかけがえのない存在なんだから。
ぼくなんてダメなとこばかりで、しょっちゅう奥さんに怒られているけどね。
そんな部分も含めてぼくだし、そんな自分にわりと満足しています。
自分に自信を持つのに、根拠や理由なんていらないいんだから。
以上、自分に自信が持てない子どもたちへ 思いやりと自己肯定感を育む絵本『ええところ』のご紹介でした。
おしまい。
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