出典:ロバート・バリー『おおきいツリー ちいさいツリー』/大日本図書
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『おおきいツリー ちいさいツリー』のご紹介です。
1977年刊のモノクロ絵本が、カラーのイラストとともに再登場。
アメリカでずっと親しまれてきた、かわいらしいクリスマス絵本です。
大きすぎたツリーはどこにいっても、先っぽを切って捨てられて。
その繰り返しのストーリーが楽しい1冊。
みんなで幸せを分かち合うような心あたたまる物語。
クリスマスシーズンの読み聞かせにぴったりですよ。
絵本『おおきいツリー ちいさいツリー』の情報
著者:ロバート・バリー/作 光吉 夏弥/訳
出版社:大日本図書
出版年:2000年10月
ページ数:32ページ
おすすめ対象年齢:4歳、5歳
読み聞かせ:3歳から
『おおきいツリー ちいさいツリー』のあらすじ
もうすぐクリスマスです。
ウィロビーさんのお屋敷に届けられたのは、見たこともない大きなクリスマスツリー!
「りっぱな つりーだ! なんて すてきなんだ!」
大喜びで、さっそく大広間に運びます。
だけど先っぽが天上につっかえてしまいました……
執事のバクスターが斧でばっさり。
ちょん切った先っぽは、小間使いのアデレードに渡しました。
アデレードは自分のお部屋に飾ります。
すると、またもや先っぽが天井につっかえてしまいました……
ハサミでちょん切ってゴミ箱に入れて、裏口に出しておくことに。
翌朝、通りかかった庭師のチムが発見。
ツリーを拾って大急ぎでお家に帰りました。
ここでもやっぱり、大きすぎるからとハサミでチョッキン。
ちょん切った先っぽは、窓の外へ「ぽい」と捨ててしまいました。
くまのバーナビー、きつねのフリスク、うさぎのベンジャミン。
大きすぎたツリーはどこにいっても、先っぽを切って捨てられて。
拾った先でもまた、その先っぽを捨てられて。
そしてだんだん小さくなって。
1番最後に小さなツリーを拾ったのは……
![ookiitree-chisaitree.1 絵本「おおきいツリー ちいさいツリー」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/11/ookiitree-chisaitree.1.jpg)
絵本『おおきいツリー ちいさいツリー』の内容と感想
誰かにとってはいらないもの。
でもそれが、誰かにとっては必要なもの。
そういうものってありますよね。
そして今回のお話は、そんな「誰かにとっていらない、誰かにとって必要なもの」がクリスマスツリー!
「みんなが幸せでありますように」
そんなクリスマスらしい願いが込められた、心あたたまる絵本。
1本の大きなクリスマスツリーをめぐるお話です。
みどころはウィロビーさんのお屋敷からはじまる繰り返しの展開。
さらに森の動物たちもたくさん登場するので子どもたちに大人気。
せっかくのツリーなのに……躊躇なくちょん切るし。
雑に「ぽい」と投げ捨てる感じも、なんだか笑ってしまいます。
そして最後はウィロビーさんのお屋敷に住む、ねずみのミスルトーが小さなツリーを持ち帰ります。
リレーのようにつないだツリーのバトンは、一周回ってもとの場所に帰ってききます。
オチもすてきで何度も読み返したくなるような作品。
大きいツリーも小さいツリーも、そこに生まれる気持ちの大きさは変わりませんよね。
クリスマスシーズンの読み聞かせにぴったりな1冊。
アメリカで長いあいだ愛されつづけている、かわいらしいクリスマスストーリーです。
![ookiitree-chisaitree.2 絵本「おおきいツリー ちいさいツリー」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/11/ookiitree-chisaitree.2.jpg)
みんなが幸せでありますように
「より大きいほうがいい」
「よりたくさんあるほうがいい」
ぼくたちは、ついそんなふうに考えてしまいがち。
「あの人よりも大きなものを」
「みんなに笑われないように」
そうやって必要以上を求めてしまいますよね。
でもね、大きすぎても仕方がない。
たくさんありすぎても持てあますだけ。
絵本のクリスマスツリーみたいに、ちょん切らなきゃいけなくなるしね。
それぞれにあった大きさがある。
身の丈にあった量があるんです。
それにさ、大切なのは物の大小じゃない。
大きくても小さくても、そこにある思いは変わらないから。
ウィロビーさんだって、くまのバーナビーだって、
きつねのフリスクも、うさぎのベンジャミンも、ねずみのミスルトーも。
幸せな気持ちはみんなおんなじだよね。
そこにツリーの大きさは関係ないんだからさ。
以上、みんなが幸せでありますように 繰り返しが楽しいクリスマス絵本『おおきいツリー ちいさいツリー』のご紹介でした。
おしまい。
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