出典:福知 伸夫『とってください』/福音館書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『とってください』のご紹介です。
カメと動物たちのなごやかなやりとりを描いた絵本。
「とってください」
「ありがとう」
そのシンプルな繰り返しが楽しい1冊です。
人に頼ること。
感謝の気持ちを伝えること。
そんな大切だけど忘れがちなことを思い出させてくれます。
0歳、1歳におすすめの赤ちゃん絵本です。
絵本『とってください』の情報
出版社:福音館書店
出版年:2003年3月
ページ数:20ページ
対象年齢:0歳から
『とってください』のあらすじ
カメが木の上になっているりんごが気になります。
「おさるさん りんごを とってください」
やさしいサルは木に登ってりんごをとってくれました。
「ありがとう」
次は木の上に咲いているお花が気になります。
「はとさん おはなを とってください」
やさしいハトは木の上まで飛んでとってくれました。
「ありがとう」
その次は木の上になっているさくらんぼが気になります。
「きりんさん さくらんぼを とってください」
やさしいキリンは長いクビを伸ばしてとってくれました。
「ありがとう」
ゾウにはみかんを、サイにはきれいな葉っぱをお願いします。
みんなやさしいね。
「ありがとう」
![tottekudasai.1 絵本「とってください」の中身その1](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/03/tottekudasai.1.jpg)
絵本『とってください』の内容と感想
福音館書店「0.1.2.えほん」シリーズの1冊。
カメが「とってください」とお願いします。
すると動物たちが木の上からいろんなものを取ってきてくれるというお話です。
カメと動物たちによるシンプルな内容の繰り返し絵本。
木版画で描かれたイラストはあたたかみを感じますね。
サルは得意な木登りで。
ハトは飛んで、キリンは自慢の長いクビを使って。
それぞれ自分の長所をいかしてカメのお願いをきいてくれます。
自分にできないことは素直にたよる。
きちんと「ありがとう」のお礼を忘れない。
当たり前のようで意外とできなかったりしますよね。
1999年の再刊となる1冊。
やさしい動物たちの赤ちゃん絵本です。
![tottekudasai.2 絵本「とってください」の中身その2](https://ehonsanpo.com/wp-content/uploads/2017/03/tottekudasai.2.jpg)
頼っていいんだよ
人にお願いするのが苦手な人って多いですよね。
「こんなこと頼んで迷惑じゃないかなあ」
「面倒くさいやつだと思われないかなあ……」
そんなふうに相手からの反応を気にしすぎたり。
「これぐらいい自分でやらないと」
「人に頼るなんて甘えているだけ」
そうやって自分に厳しくしてしまう。
だけどね、そんなに無理して頑張らなくてもいいんだよ。
頼ることはダメじゃないんだから。
つい自分ひとりでやらなきゃいけないと思いがちだけど。
人に頼るのがダメなことのように考えてしまうけど。
大丈夫、頼っていい。
絵本のカメみたいに自分に届かないところがあったらさ。
「とってください」とお願いしてもいいんだよ。
人それどれ得意なこと苦手なことがあるんだから。
ぜんぶ自分でやろうとしなくていい。
まあ、なんでも人まかせにするのは考えものだけど……
人から頼られるのって案外悪い気がしないものだしね。
やってもらって当然だと思わないこと。
カメのように感謝の気持ちを忘れずに、きちんと伝えること。
それさえ気をつけていればもっと気楽に頼ればいいんじゃないのかな。
その分、自分のできることで返してあげればいいんだから。
頼って頼られて、助け合いながら生きていくのが人間なんだ。
ぼくたちはひとりじゃないんだから。
以上、頼ること、感謝を伝えることの大切さを教えてくれる ほほえましい動物たちの赤ちゃん絵本『とってください』のご紹介でした。
おしまい。
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