絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

子ねこの自分探しを描いた冒険物語 世界中で愛され続ける名作絵本『こねこのぴっち』

絵本「こねこのぴっち」の表紙

出典:ハンス・フィッシャー『こねこのぴっち』/岩波書店

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『こねこのぴっち』のご紹介です。

小さくて頼りなさ気な、ぴっち。
そんな子ねこの自分探しの冒険を描いたお話。

やさしさと愛情があふれている1冊です。
世界中で愛され続ける、名作絵本の世界をお楽しみください。

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絵本『こねこのぴっち』の情報

原題:PITSCHI
著者:ハンス・フィッシャー/作 石井 桃子/訳
出版社:岩波書店
出版年:1987年11月
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から

『こねこのぴっち』のあらすじ

りぜっとおばさんの家に住む、父さん猫のまりと、母さん猫のるり。
そしてその2ひきの間に生まれた、5ひきの子ねこ。

ぐりぐり、ぐろっき、ぱっち、みっち、ぴっち。
みんな、いたずらばかりのやんちゃ放題。

たけどぴっちは、他の兄弟たちと違うことをして遊びたったのです。

裏庭に行って、おんどりの立派な歩き方に憧れてマネをしたり。
ヤギになりたいと、頭に木を2本つけてみたり。

しまいには、アヒルのマネをして池で泳ごうとして、おぼれてしまいます
それでも懲りずに、お次はウサギになったつもりで、みんなと一緒に小屋に飛び込みました。

夜になると、ぴっちが中にいることを知らないりぜっとおばあさんが、ウサギ小屋に鍵をかけてしまいます。

体がぬれて凍えそうなぴっち。
このままで気づいてもらえないと大変です……

絵本「こねこのぴっち」の中身その1出典:ハンス・フィッシャー『こねこのぴっち』/岩波書店

絵本『こねこのぴっち』の内容と感想

りぜっとおばあさんと幸せに暮らしている、たくさんの動物たち。
そこで飼われている5ひきの子ねこの中で、一番小さくて、おとなしいぴっちの自分探しの物語。

他の動物たちと関わりあいながら、自分の求める「何か」を探していきます。

家を抜けだし、小さな冒険に出たぴっち。
最後には、犬のべろやおばあさんたちの助けを借りて、自分の家に戻ってきます。

衰弱したぴっちをみて涙を流し、献身的に看病してあげるりぜっとおばあさん。
絵本のなかで言葉を話す場面はないですが、やさしさと愛情が伝わってきますね。

動物たちがみんな、ぴっちを心配して手土産を持って御見舞に。

弱ったぴっちのために乳母車をつくったり。
落ち込んだぴっちを笑わせてあげようと庭でイベントを開いたり。

そんなみんなの、あたたかく深い愛情に包まれて、自分の求めていた答えに出会います。

何物かになりたかった子ねこ。
どこかに居場所を求めた、ぴっち。

だけど欲しかったものは、ずっとすぐそばにあったんですね。

1954年に「岩波の子どもの本」として出版され、1987年に装丁などが異なる大型本が発売されました。
現在では、新旧、両方の絵本が併売されています。

著者のハンス・フィッシャー生誕100周年となる、2009年にはアニメ化もされた人気作。
世界中で愛され続ける名作絵本です。

絵本「こねこのぴっち」の中身その2出典:ハンス・フィッシャー『こねこのぴっち』/岩波書店

探しても見つからないもの、探したからこそ見えるもの

若いときほど、近くにあるものが見えなかったりするんですよね。
どうしても遠くに目がいっちゃう。

自分にない「何か」を求めてみたり。
ここではない「どこか」を探したり。

ぴっちみたいに、違う「誰か」になろうとしてみたりね。

悩んで、迷って、必死にもがいて。
「自分だけの特別」が欲しくて仕方がなくて。

でもそれ自体、決して悪いことでもないのかな。
若いうちはいっぱい挑戦して、たくさん冒険すればいいと思うから。

でもさ、結局そういうのって、ふとした瞬間に気づくものだったり。
かといって、探して見つかるものではないんだけど、探したからこそ見えるものもあったりして。

つらい思いをしたけど、その分みんなのあたたかさを知った、ぴっちみたいにさ。

幸せとか、本当に大切なものって、いつだってすぐそばにあるんだけど。
それに気づくためには、自分自身の成長が必要だったりするのかな。

以上、子ねこの自分探しを描いた冒険物語 世界中で愛され続ける名作絵本『こねこのぴっち』 のご紹介でした。

おしまい。

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