絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

ギャングこうもりに負けないぞ!秋にぴったりのロングセラー絵本『とんぼのうんどうかい』

絵本「とんぼのうんどうかい 」の表紙

出典:加古 里子『とんぼのうんどうかい』/偕成社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『とんぼのうんどうかい』のご紹介です。

運動会の帰り道、ギャングこうもりに襲われたとんぼの子どもたち。
運動会で得た知恵と勇気をふるい、見事こうもりをやっつけます。

「泣いていたって仕方がない」
「自分たちに何ができるかを考えて行動しよう」

そんなメッセージを伝えてくれる、秋の季節にぴったりな1冊です。

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絵本『とんぼのうんどうかい』の情報

著者:加古 里子/作
出版社:偕成社
出版年:1972年12月
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から

『とんぼのうんどうかい』のあらすじ

空が真っ青に晴れた日のお昼過ぎ。
ススキの原っぱで、赤とんぼたちの運動会が開かれました!

まずは「よーいどん!」で一本杉のところまで競争です。

すずわり、パン! パン! パン!
綱引き「オーエス オーエス」

いつのまにやら夕方になってしまいました。
あか組ときいろ組にわかれた、とんぼの運動会は引き分けです。

そして楽しく遊んだ運動会の帰り道。
赤とんぼの子どもたちを襲ったのは、こわ~いギャングこうもり!

捕まったとんぼたちは袋の中に閉じ込められてしまいます。
みんなで知恵と勇気をふるい、こうもりをやっつける方法を考えます。

さあ、赤とんぼたちは無事にこうもりから逃げられるでしょうか……?

絵本「とんぼのうんどうかい」の中身その1出典:加古 里子『とんぼのうんどうかい 』/偕成社

絵本『とんぼのうんどうかい』の内容と感想

かこさとしさんの「おはなしのほん」シリーズの1作。

赤とんぼの運動会の帰り道、とんぼの子どもたちがギャングこうもりに襲われます。
だけどそこから知恵と勇気をふるい、見事こうもりを返り討ちにするお話です。

ほのぼのとした赤とんぼたちの運動会からはじまる物語。
そのまま運動会のようすが続くのかと思いきや……

後半は意外な登場人物、突然現れたギャングこうもりによって、ちょっぴりハラハラする展開に。

「日干しにしてじゃりじゃり粉にして、おいしい赤とんぼのインスタント紅茶にしてやる」

なんて恐ろしい脅し文句なんでしょう!
それに急に捕まったらパニックにもなりますよね。

慌てふためく赤とんぼの子どもたち。
だけど、このままでは終わりませんね。

「ないたり さわいだりして くたびれると、だいじなとき ちからを だせなく なっちゃうからね」

そのひと言でみんな一致団結!
運動会で得た知恵を生かして、最後にはギャングこうもりをやっつけます。

ほんとにその通りですよね。
泣いていても、困っていても、問題は解決しませんから。

大切なのは、今の自分たちに何ができるかを考えて行動すること。

そんなことを教えてくれる、秋の読み聞かせにもぴったりな1冊。
運動会のシーズンになると読み返したくなるロングセラー絵本です。

絵本「とんぼのうんどうかい」の中身その2出典:加古 里子『とんぼのうんどうかい 』/偕成社

トンボとコウモリとやさしい世界

ぼくは子どもの頃、どうしてだかコウモリは実際には存在しないのだと勘違いしてました。

コウモリ=血を吸うものだと思っていたからなのかな。
きっとその「吸血コウモリ」という響きが「人食い~」のような、想像上の生き物を連想させていたんだと思います。

コウモリは実在しない怖くて悪い生き物。
そんなイメージをずっと持っていました。

さてさて、絵本のなかのコウモリはというと、やっぱり悪役として描かれていますね。

だけど「ギャングこうもり」ということは……
「ギャング」じゃないコウモリもいるんだろうか。

どこかに心やさしいコウモリだっているんじゃないだろうか。
それでトンボたちと仲よく飛びまわっていたりしないかな。

そんなことを考えるとなんだか楽しい気分になってきませんか?

トンボの運動会にコウモリも一緒に参加したりして。
赤とんぼの紅組と、コウモリの黒組にわかれて競争したりしてさ。

そんなやさしい世界が、どこかにあってもいいよね。
なんてことを考えてしまうのは、秋になって夜が長くなってきたせいなのかな。

以上、ギャングこうもりに負けないぞ!秋にぴったりのロングセラー絵本『とんぼのうんどうかい』のご紹介でした。

おしまい。

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