出典:とよた かずひこ『でんしゃにのって』/アリス館
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『でんしゃにのって』のご紹介です。
主人公は小さな女の子の、うららちゃん。
電車にのって、おばあちゃんのところへ向かいます。
ひとりでお出かけするドキドキ感。
そして、そんな幼い女の子をを気づかう親切な動物たち。
読むとやさしい気持ちになれる1冊。
シンプルなストーリーのお出かけ絵本です。
絵本『でんしゃにのって』の情報
『でんしゃにのって』のあらすじ
うららちゃんは、ひとりでお出かけです。
お土産と切符を持って。
電車にのって、おばあちゃんの住む「ここだ」の駅まで向かいます。
ガタゴトー ガタゴトー。
ガタゴトー ガタゴトー。
「はい、おじゃましますよ」
「わにだ」の駅でワニさんが乗車します。
「くまだ」の駅ではクマさんがします。
ゾウ、ウサギ、ヘビ。
駅で停車するたびに動物のお客さんが電車にのります。
もう電車のなかは満員です。
だけど詰めればまだ座れるね。
ガタゴトー ガタゴトー
ガタゴトー ガタゴトー
うららちゃん、電車にゆられてウトウト。
あれれ、握ったおててから切符が落ちちゃった……
「つぎは ここだー ここだー」
もうすぐ降りる駅についちゃうよ。
うららちゃんは、無事におばあちゃんのところに着けるかな……?
絵本『でんしゃにのって』の内容と感想
「うららちゃんののりものえほん」シリーズ第1弾。
ピンクの表紙がかわいい、シンプルなストーリーの乗り物絵本です。
うららちゃんが、電車にのっておばあちゃんのところへ向かいます。
まだ、ひとりでお出かけは緊張しちゃうかな?
小さな女の子のドキドキが絵本の外まで伝わってきますね。
うららちゃんと一緒に、電車に乗ってお出かけしてる気分になれる1冊ですよ。
駅にとまるたびに「おじゃましますよ」と乗り込んでくる動物たち。
いろんな動物のお客さんが次々に乗るものだから、すぐに座席はいっぱい。
だけど動物たちは、ひざの上に乗せてあげたりして、みんなで座れるように工夫します。
それに寝ちゃってもちゃんと起こしてくれるし、切符だってひろってくれる。
あたたかい親切心に、やさしい気持ちになれる絵本です。
駅名は「ぞうだ」「うさぎだ」「へびだ」
電車にのってくる動物の名前がそのままなのも楽しいですね。
うららちゃんの目的地「ここだ」の次の駅は「おばけだ」
やっぱり、おばけのお客さんが乗ってくるのかな……?
「つぎは ここだー ここだー」
読み聞かせでは、ぜひアナウンスで車掌さんのマネをして読んであげてくださいね。
受賞歴
・厚生省中央児童福祉審議会特別推薦
続編・シリーズ作品
【「うららちゃんののりものえほん」シリーズ】
- でんしゃにのって(1997年6月)
- ボートにのって(1997年10月)
- さんりんしゃにのって(1998年2月)
- ばしゃにのって(2013年8月)
- いかだにのって(2014年11月)
- かごにのって(2015年9月)
親切をはじめよう! やさしさを広げよう!
絵本に登場する動物たちは、みんなやさしいですね。
幼いうららちゃんを気づかうようすが伝わってきます。
話しかけてあげたり、寝過ごさないように起こしてあげたり。
ひとりでお出かけしている女の子に親切に接してあげていますよね。
だけど絵本から離れて現実に目を向けると、どうでしょう?
そういう親切さみたいなものが気薄になっている気がしませんか。
うららちゃんみたいに、電車で不安そうな小さな子ども。
道がわからないのか、立ち止ってキョロキョロしている人。
なんとなく助けが必要そうかなと思いながら、つい二の足を踏んじゃったり。
「声をかけて断られたらどうしよう」
「まわりから偽善者だと思われるんじゃないか」
そんなことを考えて、他人への親切をためらってしまったりしてね。
だけどさ、あとで気になるぐらいなら行動すればいいんだよ。
助かって感謝されることはあっても、不快な気分なせることはないんだから。
それに助けた本人だって、自分はいいことをしたと気分がよくなれるしさ。
ね、誰も嫌な思いも、傷つきもしていないでしょ。
恥ずかしがってないで、困っている人には手をさしのべてあげようよ。
みんなが幸せな気持ちになれるなら、悩む必要なんかないよね。
そんな、あたたかい世界の方がぜったいにいいんだからさ。
以上、親切な動物たちが「はい、おじゃましますよ」 可愛らしいお出かけ絵本『でんしゃにのって』のご紹介でした。
おしまい。
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