出典:アンドレ・ダーハン,きたやまようこ『ぼくのともだち おつきさま』/講談社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ぼくのともだち おつきさま』のご紹介です。
夜のまんなかで出会った「きみ」と「ぼく」
おつきさまと主人公の友情を描いた幻想的な作品。
「めぐり逢いってすてきだな」
そんな思いに駆られる、美しい夜の物語。
大切なひとに贈りたい、珠玉の1冊です。
絵本『ぼくのともだち おつきさま』の情報
著者:アンドレ・ダーハン/作 きたやまようこ/訳
出版社:講談社
出版年:1999年6月
ページ数:27ページ
対象年齢:5歳から
『ぼくのともだち おつきさま』のあらすじ
夜のまんなか。
漕ぎ出したボートの上を見上げると、そこに思いがけない出会い。
三日月のおつきさま。
気がつくと、きみがいた……
「こんばんは」
声をかけて、2人はすっかり仲よしに。
一緒にいるだけでうれしくて、あっというまに時間がすぎて。
遊んだり、はしゃいだり、2人は楽しい時間を過ごします。
おつきさまがみえなくなる夜明け前。
興奮して湖に落ちてしまった、おつきさまを抱えて「ぼく」のうちへ。
一緒に歌い、ピアノを弾き、ワルツを踊り。
そして、「ぼく」の好きな本を読み、食事をして、眠りにつく。
昼のなると「ぼく」はもうひとりの友だちにも出会います。
出会いってすてきだね。
最高に素敵なめぐりあい。
絵本『ぼくのともだち おつきさま』の内容と感想
夜のまんなかで「ぼく」が出会ったのは「おつきさま」
そこからはじまる、心にしみる美しい物語。
2人の友情を描いたファンタジー絵本です。
詩的でどことなく大人っぽい雰囲気がただよう作品。
語りかける言葉はまるでラブレターのようですね。
眠れない夜に、ふと思いだして読みたくなる1冊です。
思いがけない出会いをした「おつきさま」と「ぼく」
仲よくなるのに理由や時間は必要ありませんからね。
「こんばんは」
そんな月並みな挨拶からはじまった関係だけど、2人あっというまに親友みたい。
彼らはほんとうにとっても楽しそう!
みているこっちまで、なんだかあたたかい気持ちにさせてくれます。
さらに、そこから次の出会いが生まれるのも、また素敵。
おひさまに対して、おつきさまをどんなふうに紹介するのだろう?
そんなことを考える、ちょっとおかしな気がしますよね。
そして最後に3人でテーブルをかこんでお茶をのむ場面。
「ぼく」の向かい側は空いていて、まるで自分もその輪のなかにいたみたいな、不思議な読後感を味わえます。
心がぽかぽかとしてくるような、幸せな時間を運んでくれる絵本です。
受賞歴
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 日本図書館協会選定図書
- 厚生省中央児童福祉審議会推薦
続編・シリーズ作品
- おやすみなさいをいうまえに(2002年2月)
- もうひとりのともだち(2002年7月)
みんな友だち、すてきな出会い
お月さまと友だちになった「ぼく」が、お日さまとも友だちになる。
そしてその、お月さまとお日さまが友だちになる。
お月さまとお日さまが、友だと同士で仲よくしているなんてさ。
その光景はなんだか不思議な感じがするけどね。
だって昼と夜が向かいあってお話しているんだから。
あいさつは「こんにちは」かな?
それとも「こんばんは」なのかな?
だけど全然おかしくなんかないよね。
友だちの友だちも、また友だちなんだから。
友だちと友だちがつながって「友だちの輪」がひろがっていく。
普段なら接点のない人同士が「友だちの輪」でつながっていく。
出会いが出会いを呼び、世代も国境も越えてふくらんでいくんだ!
みんな一緒のほうがきっと楽しいもんね。
絵本のお月さまたちみたいにさ。
以上、最高にすてきなめぐり逢い 美しい夜の友情を描いた絵本『ぼくのともだち おつきさま』のご紹介でした。
おしまい。
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