出典:いわむら かずお『14ひきのおつきみ』/童心社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『14ひきのおつきみ』のご紹介です。
絵本「14ひきの」シリーズの1冊。
一五夜の日、14ひきのねずみの家族がお月見にでかけます。
秋を感じさせる自然描写に、迫力満点のまんまるお月さま。
ふと夜空を見上げたくなる、家族愛のあふれる1冊です。
絵本『14ひきのおつきみ』の情報
『14ひきのおつきみ』のあらすじ
ねずみの家族がとっても大きな木にのぼっていきます。
滑車に乗って、ぐんぐん上に向かうのは、くんちゃん。
ここからはハシゴを使って、さらに上へ。
どんどんのぼって、高く高くのぼってくよ。
今日は何をするのかな?
途中でアマガエルがお昼寝してる。
気持ちのいい風が通り抜けて、葉っぱがさらさら。
上までくると、木の枝を切って、ひもで縛って。
いったい何をつくってるんだろう?
みんなで協力して出来あがったのは……お月見台!
そう、今夜は十五夜、みんなでお月見です!
まっかな夕日しずんで、だんだん夜がひろがっていく。
お供え物は、おだんご、くりの実、どんぐりも。
ほら、もうすぐお月さまがのぼってくるよ。
でたでた、まんまるお月さま。
ねずみの14ひき家族、今夜は楽しいお月見です。
絵本『14ひきのおつきみ』の内容と感想
絵本「14ひきの」シリーズの1冊。
今回は、14ひきのねずみの家族がお月見です。
みんなで、木の上にお月見台をつくって、ごちそう並べて、お月さまをながめます。
シリーズ通して、細部まで描き込まれた美しい自然描写。
今作では秋らしく葉っぱが色づき、どんぐりが実っていますね。
滑車でのぼってきた、くんちゃんに、ごうくんとさっちゃんがお出迎え。
木登り中も、のぼったあとも、年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんが下の子の気にかけたり遊んであげたり。
まだ幼い、とっくんは大人と一緒に遅れてやってきたり。
やさしさあふれる仲のいい家族の営みを想像できるのも「14ひきの」シリーズの魅力のひとつ。
そして、吸い込まれるそうになる迫力満点な、大きなまんまるお月さま。
まるで、すず虫のなき声が聞こえてきそう。
秋の自然の美しさ、家族のつながり。
そんな「ぬくもり」がいっぱいつまった、素敵な1冊です。
受賞歴
・全国学校図書館協議会選定「よい絵本」
続編・シリーズ作品
【14ひきのシリーズ】
- 14ひきのひっこし(1983年7月)
- 14ひきのあさごはん(1983年7月)
- 14ひきのやまいも(1984年7月)
- 14ひきのさむいふゆ(1985年11月)
- 14ひきのぴくにっく(1986年11月)
- 14ひきのおつきみ(1988年6月)
- 14ひきのせんたく(1990年5月)
- 14ひきのあきまつり(1992年10月)
- 14ひきのこもりうた(1994年7月)
- 14ひきのかぼちゃ(1997年4月)
- 14ひきのとんぼいけ(2002年6月)
- 14ひきのもちつき(2007年11月)
・家族っていいな!1日のはじまりに元気をもらえる絵本『14ひきのあさごはん』
・さあ、お弁当を持って出かけよう! 春のよろこび溢れるさわやか絵本『14ひきのぴくにっく』
・わっしょいわっしょい! 豊かな秋の惠みがつまった楽し気な絵本『14ひきのあきまつり』
・ぺったん とったん 正月前の楽しい家族行事を描いた絵本『14ひきのもちつき』
でたでた、まんまるお月さま
夜になると、ふと空を見上げてしまうのはなぜだろう?
どうしてつい、空に浮かぶお月さまを探してしまうんだろう?
きっと、お月さまにはさ、人を引きつける不思議な魅力があるから。
だけど、ぼくらはお月さまのどこに惹かれてしまうのかな。
大きさや、神秘的な輝きのせいか?
はたまた、15夜ごとに姿を変える満ち欠けのせい?
人によって違いがあったりするんだろけどね……
でもね、1番の理由はそのどれでもないと思うんだ。
人がお月さまに惹かれてしまうのは、ずっとずっと、ぼくら照らしつづけてくれるから。
くらい夜だって明るく照らしてくれる。
だからこそ足元を見失わずに歩いていける。
迷っても、そのやさしい光をそそいでくれる。
三日月、半月と、その形を変えても、照らす光は変わらずに……
届く光を見失いたくないから。
いつもぼくたちは、夜空を見上げてしまうんじゃないのかな。
そしてその、お月さまへの感謝の気持ちが「お月見」になるんだよ。
お餅をそなえて「ありがとう」を込めるんだ。
今日も夜空にぽっかり浮かぶ、お月さまにね。
以上、今夜はまんまるお月さま 自然の美しさと家族愛がつまった絵本『14ひきのおつきみ』のご紹介でした。
おしまい。
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