愛と感動のロングセラー絵本 不朽の名作『100万回生きたねこ』

出典:佐野 洋子『100万回生きたねこ』講談社

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『100万回生きたねこ』のご紹介です。

100万回も死んで、100万回も生きたねこのお話。
誰も愛することがなかったをねこが、愛を知り、命の尊さに気づきます。

生きること、愛することとは何かを考えさせられる1冊。

切なく奥深い、心を揺さぶる感動作。
子どもだけでなく、大人からも大人気のロングセラー絵本です。

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絵本『100万回生きたねこ』の情報

著者:佐野 洋子/作
出版社:講談社
出版年:1977年10月
ページ数:31ページ
対象年齢:6歳小学校低学年大人
読み聞かせ:5歳から

『100万回生きたねこ』のあらすじ

100万回も死んで、100万回も生きたねこがいました。

あるときは王様に飼われ、そしてまたあるときは船乗りに。
サーカスの手品使い、泥棒、おばあさん、女の子……

100万人の人が、その猫をかわいがり、100万人の人が、その猫が死んだときに泣きました。

だけど、ねこは1回も泣きませんでした。
ねこが好きなのは自分だけ、誰も愛することがなかったのです。

あるとき、ねこは誰にも飼われず、野良猫になりました。

ねこは100万回も生きた立派なトラ猫です。
メス猫たちはこぞって、ねこのお嫁さんになりたがります。

だけどそのなかの1ぴきだけ、ねこに見向きもしない白猫がいました。
そっけない態度をとる、その美しい猫に魅せられます。

なんとか興味を引こうとするうちに、2ひきのねこは共に過ごすように。

やがて子どもが生まれ、自分よりも大切な家族を持ちました。
100万回死んでも悲しくなかったねこは、はじめて愛することを知ります。

そして……愛する者を失う悲しみを知り、涙を流すのです。

朝になっても昼になっても夕方になっても夜になっても……猫は100万回も泣き続けました。
そして、とうとう白ねこの隣で動かなくなり、決して生き返ることはありませんでした。

出典:佐野 洋子『100万回生きたねこ』講談社

絵本『100万回生きたねこ』の内容と感想

100万回も死んで100万回も生きたトラねこが、愛を知る物語。
涙なしでは読めない、儚く切ない感動のお話です。

シンプルなストーリーながら奥深い1冊。
白ねこを抱えて涙するシーンは、胸をギュッと締めつけられるようです。

誰も愛さずにずっと生き続けて。
100万回死んでも同じ数だけ生きたきた。

そんなねこにとって、命の価値なんてちっぽけなもの。
死ぬことも、生きること自体もなんとも思っていなかった。

だけど、はじめて生きたいと思えたんです。
それはずっと一緒に生きたいと思える相手に出会えたから。

愛を知り、命の尊さを知る。
最後の最後に大切なものに気づくことができたよね。

いや、気づいたからこそ終われたのかな。

だれかを愛せるというのは幸せなこと。
そんなことを思わせるせ素敵な作品です。

子どもへの読み聞かせだけでなく、大人になって読みたい絵本。
発行部数は220万部のダブルミリオンセラー*1

人生の節目のたびに何度も読み返したくなる不朽の名作。
きっと読むたびに、新しい表情をみせてくれますよ。

受賞歴

  • 日本図書館協会選定図書
  • 全国学校図書館協議会選定図書
  • 中央児童福祉審議会推薦図書
出典:佐野 洋子『100万回生きたねこ』講談社

100万分の1回の人生

よく富や権力を手に入れた人が、永遠の命を望むなんて物語がありますよね。
だけどさ、死なないと言うのは、とてもつらいことなんじゃないのかな。

大切な人がどんどん年老いて。
愛する人たちがみんな亡くなっていって。

自分だけが歳をとらず、生き続ける。
そしてそんなつらい思いを、何度も何度も繰り返すことになるんだから。

想像するだけで心が苦しくなりますね。
そんなもの全然ほしいとは思わないけどなあ……

べつにぼくだって死にたいわけじゃない。
もちろん長く生きたいとは思います。

だけどね、それは決して「ひとり」ではないんです。
大切な人たちと一緒に歳を重ね、ともに歩む道のりこそ意味があるんです。

そういう意味でも、100万回生きたねこはずっと虚しかったんだろうな。
悲しい終わり方のようだけど、最後は愛する白ねこ一緒に逝けて、幸せだったんじゃないのかな。

もちろんぼくたちは、1度きりしか生きられなくて。
限られた命のなかで、有限の時間のなかで。

やり直しのきかない人生を後悔しないためにもさ。
ただ自分の人生を、精一杯生きるしかないんだよね。

以上、愛と感動のロングセラー絵本 不朽の名作『100万回生きたねこ』のご紹介でした。

おしまい。

*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。

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