出典:マリア・テルリコフスカ,ボフダン・ブテンコ『しずくのぼうけん』/福音館書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『しずくのぼうけん』のご紹介です。
ポーランド生まれのロングセラー絵本。
一滴のしずくの冒険物語です。
温度や場所によって形を変える水の性質を楽しみながら学べる1冊。
子どもの好奇心を刺激する、大人気の科学絵本です
絵本『しずくのぼうけん』の情報
著者:マリア・テルリコフスカ/作 ボフダン・ブテンコ/絵 内田 莉莎子/訳
出版社:福音館書店
出版年:1969年8月
ページ数:24ページ
おすすめ対象年齢:5歳、6歳
読み聞かせ:4歳から
『しずくのぼうけん』のあらすじ
ある水曜日のこと。
おばさんのバケツから、ひとしずくの水が「ぴしゃん」と飛びだしました。
さあ、しずくの冒険のはじまりです!
さっそくホコリで汚れてしまった、しずく。
きれいな水に戻るためにクリーニング屋さんに行ったり、病院へ行ったり。
お日さまのあたたかさで蒸発してしまって空にのぼり、雲に乗り雨になり。
と思ったら、寒さに冷やされてカチコチの氷になったり……
転げて小川の中に入ったらグングン流されて、いつのまにやら台所の蛇口から飛びだしました。
さてさて、この先どんな冒険が待っているのでしょうか。
しずくの旅はまだまだ続きます。
絵本『しずくのぼうけん』の内容と感想
福音館書店「世界傑作絵本」シリーズの1冊。
水、氷、水蒸気。
温度や場所によって変化する水の性質を特性を、物語をとおして解説した絵本です。
主人公のしずくが、いろんなところへ大冒険!

「このあとどうなるのかな?」
「しずくは大丈夫かな?」
ページをめくるたびにハラハラ、ドキドキ。
まるで詩のようなリズム感のある文章で、物語はテンポよく進んでいきます。
カラフルな色合いと、シンプルな線で描かれた主人公のしずく。
されど表情豊かでなんだかほっこりしちゃいます。
発行部数は110万部のミリオンセラー*1。
読み聞かせから好奇心を育む科学絵本。
発売してから40年以上も読まれている、ロングセラー作品です。
水のような生き方
水ってぼくたちが生きていくために必要で、とっても身近なもの。
だけどよく考えたら不思議だと思いませんか?
普段はあんなにシャバシャバなのに、冷やすと氷になってカチンコチンに固まって。
温めてあげると水蒸気になって、冷えるとまた水に戻って。
絵本のしずくも環境に応じで変化していましたもんね。
うーん、つくづく水って不思議……
それでいて形を変えて、器を選ばずどんなものにも、どんなところにも合わせることができます。
いつだって流動的だけど、水としての性質は忘れません。
なんにも縛られず何物にもとらわれない。
それなのに誰からも必要とされて、みんなの助けになっている。
昔の人の言葉にもあるけれど、たしかに水のような生き方ができれば素敵だろうなあ。
「こうあるべき」とか「こうでなければいけない」とか
そういった思い込みや先入観にいちいち振りまわされずに。
まわりに合わせながらもきちんと自分を持っている。
そんなふうに生きられたら理想的なんですけどね。
だからといって、ほんとうに水になって絵本のしずくのように生きるのは大変そう。
まあ、それはそれて楽しそうではあるけれど……
個人的にはずっと冒険の旅を続けるよりは、家族とのんびり過ごしていたいですかねえ。
以上、知的好奇心を育てる 楽しく学べる科学絵本『しずくのぼうけん』のご紹介でした。
おしまい。
*1:トーハン「ミリオンぶっく2018年版」のデータを元に記載しています。
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