みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ごろごろ にゃーん』のご紹介です。
ねこたちを乗せた満席の飛行機が、空を飛んでいくお話。
そしてこの絵本が特徴的なのは、ひたすらおなじ文章が繰り返されるんです!
最初と最後のページを除いて、すべて「ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーん と、ひこうきは とんでいきます」のリピート。
読み終えたら「ごろごろ にゃーん」のフレーズが頭からはなれない!?
なんとも説明しづらい不思議な魅力のある作品です。
理屈じゃないおもしろさの感じられるロングセラー。
つい何度も読み返しちゃう、中毒性のあるナンセンス絵本です。
絵本『ごろごろ にゃーん』の情報
『ごろごろ にゃーん』のあらすじ
海の上に、魚のような奇妙な形をした飛行機が浮かんでいます。
ゴムボートに乗ったねこたちが近づき、次々乗り込んでいくではありませんか。
大勢のねこを乘せた飛行機は「ごろごろにゃーん」と出発です!
魚釣りをしながら「ごろごろにゃーん」
クジラに追いかけられても「ごろごろにゃーん」
「ごろごろにゃーん ごろごろ にゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。
雨がふっても「ごろごろにゃーん」
UFOや飛行機とすれ違っても「ごろごろにゃーん」
「ごろごろにゃーん ごろごろ にゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。
なが~いヘビもの上も「ごろごろにゃーん」
吠える犬の群れを見下ろし「ごろごろにゃーん」
「ごろごろにゃーん ごろごろ にゃーん」と、飛行機は飛んでいきます。
町や森をこえて、また海に戻ってきました。
「ごろごろ にゃーん ただいまー」
絵本『ごろごろ にゃーん』の内容と感想
福音館書店「こどものとも傑作集」の1冊。
絵本『おしゃべりなたまごやき』や『キャベツくん』などで有名な、長新太さんの遺作とされる絵本です。
はじめに言っとくと、この絵本は……
ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーん と、飛行機が飛んでいく絵本だということ。
絵本で繰り返しは定番だけど……
「ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーん と、ひこうきは とんでいきます」
最初と最後のページ以外すべておなじ文章なんです。
あまりに斬新さに困惑しちゃうかも。
大人は一読して「なんだこれは……」という、感想を抱くことでしょう。
いやいや待って、実は深い意図が込められているはず……?
いいえ、きっと何もでてきません。
『ごろごろ にゃーん』は、意味を求めてはいけないナンセンス絵本なんですから。
なのに、なぜかクセになって読み返しちゃう!
そんな不思議な魅力で、子どもたちからは大人気の1冊。
読み聞かせているうちに、大人も子どもも楽しくなってきますよ。
理屈じゃないおもしろさのあるロングセラー絵本です。
窓からのぞく、ねこたちのとぼけた表情もユーモラスでかわいらしい。
ある意味、絵本をこえたアート作品ですね。
受賞歴
・全国学校図書館協議会選定図書
「ごろごろ にゃーん」の本当の狙いは……ごろごろ にゃーん?
ねこを乗せた飛行機が飛んでいく。
おなじ内容の文章が繰り返される。
そんなとってもシンプルな絵本なのに、大人が読むとちょっとむずかしい……
ぼくたちはつい、そこにある「意味」を考えてしまいがちだから。
べつに深いねらいなんてないのにね。
「この作品は、こういう意図がある違いない」
そんなふうに隠された趣旨に思いをめぐらせたりして。
もっと子どもみたいに、純粋に楽しめればいいんだけどさ。
絵本『ごろごろ にゃーん』に限らず、ついむずかしく考えすぎちゃう。
「生きる意味とはこういうものだ」
「人生とはこういつものだ」
そんなふうに意味や理由を定めておかないと納得できないのかな。
大抵のものには深い意味なんてないのにね。
意味は「あるもの」ではなく「与えるもの」
そして与えるのは、いつだって自分自身なんだから。
もともと意味なんてないし「答え」も「正解」もない。
大げさに考えずに、自分の好きにすればいい。
きっと、それでいいんだよね。
絵本『ごろごろ にゃーん』伝えたかったのは夢とロマンと大冒険だ!
そうやって解釈するのも自由だし。
ぼくたちが何を感じ、何を思うかは、本人の自由なんだからさ。
「ごろごろ にゃーん」
以上、おもしろさは理屈じゃない!繰り返しが愉快なナンセンス絵本『ごろごろ にゃーん』のご紹介でした。
おしまい。
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