出典:長谷川 義史『おへそのあな』/BL出版
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『おへそのあな』のご紹介です。
お母さんのおへその穴からのぞくのは……
おなかの中の赤ちゃんだね。
みえる、みえる。
なにがみえる?
「赤ちゃんが生まれてくる!」
そんな待ち遠しい気持ちを子どもと共有できる素敵な1冊。
命の誕生を楽しく描いた絵本です。
絵本『おへそのあな』の情報
出版社:BL出版
出版年:2006年9月
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から
『おへそのあな』のあらすじ
赤ちゃんはまだ、おなかの中。
だけど、おへその穴から外の世界をみています。
みえる、みえる。
おにいちゃんとおねえちゃんがみえる。
何してるのかなぁ。
ポロン ポロン。
おとうさんがお歌をうたっているよ。
におう におう。
くんくん、いいにおい。
おかあさんが料理をしているね。
きこえる、きこえる。
いろんな声。
たくさんの音。
そしてある日の夜。
赤ちゃんがおへその穴から、聞こえないように言いました。
「あした うまれて いくからね」
絵本『おへそのあな』の内容と感想
赤ちゃんは、お母さんのおなかの中からみています。
おへその穴から、周りで起きていることをしっかりみているよ。
そんな、赤ちゃんの目線ではじまるお話です。
穴からのぞき込んだ視点で、物語は進んでいきます。
まず気になるのが上下が逆転した絵。
赤ちゃんはお母さんのお腹のなかで、頭を下にして過ごしているんです。
だからこそ、イラストも逆さ向きにうつっているんですね。
なるほど! おへそにはこんな役目があったのか。
なんて、おもわず納得しそうになってしまいそうだから不思議です。
おへその穴から見えるのは、お兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さん。
お兄ちゃんは赤ちゃんにプレゼントするロボットづくり。
お姉ちゃんは赤ちゃんにみせてあげるためのお花を育てています。
みんな、赤ちゃんが生まれてくるのを心待ちにしているんですね。
家のいたるところにある、赤ちゃん関連の小物や、壁に貼られたメモ。
赤ちゃんを待ちわびているようすが伝わってきて、こっちまで幸せになれそう。
「赤ちゃんのために禁酒は無理なので休肝日を週2日とする」
おとうさんの目標は、なんだかちょっと自分に甘いような……
細かいところまで描き込まれていて、みるたびに新しい発見やクスッと笑えるところがあるのもポイント。
そして最後の赤ちゃんの言葉が、またいい!
いよいよ新しい人生スタートするのかと、ドキドキ、ワクワクしちゃいます。
これから赤ちゃんを生まれるママやパパ、子育て中の家族にも読んでほしい!
他にも、もうすぐ小さな弟、妹が生まれてくる、お兄ちゃん、お姉ちゃんへのプレゼントにもおすすめですよ。
受賞歴
・第17回 けんぶち絵本の里大賞
おへそのあなから、みえる、みえる
ママのおへその穴から、おなかの赤ちゃんがみている……
想像すると、背筋がシャキッとしてきませんか?
だって、わが子に格好悪い姿をみせられられないですもん。
赤ちゃんからみられているかも……
なんて考えると、あまり下手なこともできません。
大人なんだしちゃんとしないと、と身が引き締まりますよね。
それは自分の子どもの前だけのことじゃない。
妊娠している友だちや、町を歩いている妊婦さんの前だっておんなじ。
おへその穴から、見て、聞いて、感じている赤ちゃんがいるんだから。
これから生まれてくる子どもたちが、ワクワクできる世界をみせてあげたい。
「楽しそう! 早く生まれたい!」
そんなふうに思ってもらいたいから。
だからぼくたち大人が、より良い世の中にしていかないと。
子どもたちが、未来に希望を持てるような世界にしたいよね。
それをできるのは、今を生きるぼくたちしかいないんだからさ。
だけど無理は禁物。
絵本のお父さんの目標ぐらいに、ほどほどにしとかないとね。
以上、おなかの中から何がみえる?命の誕生をユーモラスに描いた絵本『おへそのあな』のご紹介でした。
おしまい。
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