出典:いわむら かずお『14ひきのあきまつり』/童心社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『14ひきのあきまつり』のご紹介です。
「14ひきのシリーズ」の秋の1冊。
ねずみの家族が秋の森にお出かけします。
秋色に染まった森で、ねずみの兄弟たちを待ったいたのは、ちょっぴり不思議な秋祭り!
美しい自然と秋の惠みがいっぱいつまった1冊。
仲よし家族と森の生き物たちの、楽し気なひとときをご覧ください。
絵本『14ひきのあきまつり』の情報
『14ひきのあきまつり』のあらすじ
14ひきのねずみの家族が、秋の森にお出かけです。
お母さんたちは木の実採り。
子どもたちは、かくれんぼをして遊びます。
「もう いいかい」
「まあだだよ」
鬼は、さっちゃん。
落ち葉を使って上手に隠れる兄弟たちを、どんどん見つけていきます。
だけど、ろっくんだけがどうしても見つかりません。
みんなで、ろっくんを探しに秋の森に分け入ると……
そこは赤く染まった秋の祭り、キノコのお祭り!
「わっしょい、わっしょい」
「せいや せいや、おりゃ おりゃ」
キノコにどんぐり、カエルや虫たちがお祭りを盛りあげます。
ねずみの兄弟たちも、一緒になってキノコのみこしを担いでいますね。
すると突然、山の風が「ヒョオー」と吹き抜けて……
さてさて、ろっくんは無事にみつけることができたのかな……?
絵本『14ひきのあきまつり』の内容と感想
ねずみの家族「14ひきのシリーズ」の秋の1冊。
今回は、少しファンタジーなおもむきのあるお話です。
おばあちゃんと子どもたちが、秋の森でかくれんぼ。
「にっくんはどこかな?」
「みーつけた」
読み聞かせでは絵さがし絵本のように、かくれんぼしている子どもたちを探して遊べるのもポイント。
赤く色づいた葉、黄色く染まった落ち葉に、どんぐり。
一緒にかくれんぼを楽しみながら、秋色一色の美しい自然描写も満喫できます。
そして後半は、ほのぼのして雰囲気から一転、とってもにぎやか。
くりたけ兄弟に連れられてきたのは、秋の森のお祭りです!
参加するのはトンボ、バッタにカエル、カメ、トカゲ。
キノコと一緒におみこし担いで「わっしょい! わっしょい!」
そして急に強い風が吹いたかと思ったら、みんないなくなって静かになっちゃった……
あれれ? 夢でもみてたのかな?
狐につままれたみたいな、ちょっぴり不思議な気持ちになりますね。
表紙、背表紙の裏には、図鑑のようにキノコがいっぱい!
豊かな秋の惠みがたっぷりつまった、楽し気な絵本です。
受賞歴
全国学校図書館協議会選定図書
続編・シリーズ作品
【14ひきのシリーズ】
- 14ひきのひっこし(1983年7月)
- 14ひきのあさごはん(1983年7月)
- 14ひきのやまいも(1984年7月)
- 14ひきのさむいふゆ(1985年11月)
- 14ひきのぴくにっく(1986年11月)
- 14ひきのおつきみ(1988年6月)
- 14ひきのせんたく(1990年5月)
- 14ひきのあきまつり(1992年10月)
- 14ひきのこもりうた(1994年7月)
- 14ひきのかぼちゃ(1997年4月)
- 14ひきのとんぼいけ(2002年6月)
- 14ひきのもちつき(2007年11月)
・家族っていいな!1日のはじまりに元気をもらえる絵本『14ひきのあさごはん』
・さあ、お弁当を持って出かけよう! 春のよろこび溢れるさわやか絵本『14ひきのぴくにっく』
・今夜はまんまるお月さま 自然の美しさと家族愛がつまった絵本『14ひきのおつきみ』
・ぺったん とったん 正月前の楽しい家族行事を描いた絵本『14ひきのもちつき』
実りを祝う秋祭り
「秋祭り」といえば、農耕の収穫を祝うお祭りです。
だけど現代の暮らしだと、そういう本来の意味なんてなかなか意識しませんよね。
屋台がたくさんでて、おみこし担いで。
楽しいイベントぐらいにしか思ってなかったりしてね。
それでも、絵本のように森で暮らす生き物からすれば大切なんです。
虫やカエルだけじゃなくて、キノコまで動きだしちゃうぐらいにさ。
昔の人たちも今よりずっと、自然と身近な暮らしをしていて。
絵本にでてくる森の生き物たちみたいに、きっと秋のお祭りを大事にしていたんだろうね。
今はスーパーに行けば、簡単に野菜や食べものが手にはいるから。
つい当たり前にあるものだと錯覚しちゃうけど。
秋の実りに対する感謝。
そういう気持ちを忘れちゃダメなんだよ。
次の秋祭りに行ったらさ、少し意識してみようかな。
もしかしたら、足もとでキノコたちの秋祭りもみられるかもしれないしね。
以上、わっしょいわっしょい! 豊かな秋の惠みがつまった楽し気な絵本『14ひきのあきまつり』のご紹介でした。
おしまい。
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