出典:板橋 雅弘,吉田 尚令『パパはわるものチャンピオン』/岩崎書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『パパはわるものチャンピオン』のご紹介です。
『パパのしごとはわるものです』に続く「パパわる」シリーズ第2弾!
実写映画化も決まった人気の絵本です。
前作以上に迫力を増した、豪快なプロレスシーン。
そして男の子の成長は必見ですよ!
父と息子の絆を描いた、心と体が熱くなるような1冊です。
絵本『パパはわるものチャンピオン』の情報
『パパはわるものチャンピオン』のあらすじ
男の子のパパの仕事は悪役レスラー。
悪者になって、正義の味方と戦っています。
「今日はパパの仕事を見せたいんだ」
ある日、男の子はパパに連れられてプロレスの試合を見学することに。
カーン!
さぁ、ゴングの音が響いて、試合がはじまります!
リングの上では赤コーナーに、チャンピオンのドラゴン・ジョージ。
そして青コーナーには、挑戦者のゴキブリマスクが向かい合います。
男の子は、パパであるゴキブリマスクを応援したい。
だけど、隣で一緒に見ている友だちのマナちゃんはドラゴンを応援しています。
「がんばれ パパ」
男の子は心のなかでこっそり応援しました。
ゴキブリマスクはずるい攻撃や反則を繰り返します。
いつの間にかもう1人の悪者「ギンバエマスク」も登場です。
ドラゴンを責め続けて、最後は必殺技の「ホイホイドライバー!」
ついにゴキブリマスクが勝った。
「やったぁ」
男の子は思わず叫んでしまいました。
「ひきょうもの」
「ずるいこと するな」
すると退場シーンではブーイングの嵐。
空き缶やゴミまで投げつけられる始末です。
その光景に複雑な気持ちの男の子でしたが……
絵本『パパはわるものチャンピオン』の内容と感想
パパを応援したい。
でもできない。
そんな葛藤と子ども心を見事に描いた本作。
前作からの男の子の心の成長も注目してほしいポイントです。
1作目以上に迫力を増した、豪快なプロレスシーンもみどころ!
ぬくもりを感じるタッチで描かれた、父と息子の絆を描いた絵本です。
パパが勝ってうれしい。
しかもチャンピオン!
だけどパパは悪者で、しかも卑怯な攻撃での勝利。
退場シーンではみんなからヤジやゴミまで飛ばされる。
やっぱり素直によろこべないですよね。
それでもパパは息子にみていてほしかった。
前作での男の子の言葉「わるものでもいいからとにかく勝ってね」があったから。
悪役をつらぬいてでも息子との約束を守ったパパ。
そして、それに応えるような今回の男の子のセリフ。
「パパ、こんどはまけてもいいよ」
成長をうかがえる言葉にグッとくるものがあります。
パパへの思いやり、仕事への理解が感じられますね。
ほんとうに格好いい親子!
実写映画化も決まった人気の絵本。
ぜひとも父子で読み聞かせてほしい1冊です。
受賞歴
・第9回ようちえん絵本大賞
続編・シリーズ作品
【「パパわる」シリーズ】
・パパのしごとはわるものです(2011年5月)
・パパはわるものチャンピオン(2014年5月)
・誇りをもって働くパパはカッコいい!プロレス絵本『パパのしごとはわるものです』
自分を貫くことはカッコいい!
絵本のパパは誇りをもって「わるもの」をやっている。
自分の信じる「正しさ」で動いている。
そう、悪者にだって悪者の正義があるんです。
立場や見る角度が変われば、正しいことだって変わるんだから。
でも自分を貫くことって簡単ではありませんよね。
やっぱりぼくたちは、他人の目が気になっちゃうから。
それでも、まわりが何と言おうと我が道を行く。
たとえ悪者だと思われても、自分の正義を押しすすむ。
それが本当に強い人なんじゃないのかな。
まわりに流されて自分の意見を我慢することもなくて。
現実からも、自分の弱さからも目をそらしたりしない。
きっと絵本のパパみたいな人を「強い」って言うんだろうね。
子どもの前で悪者に徹するのは勇気がいること。
しかもそれを自分から見てもらうんだから。
悪者であるパパを応援した男の子だって立派だよね。
きちんと問題と向き合って、自分のなかで受けとめようとしている。
大人だとか子どもだとか関係なく、尊敬できる親子。
自分も強くありたいな。
子どもに恥ずかしくない自分でありたいな。
そして、絵本のふたりみたいなカッコいい親子になりたいもんです。
以上、映画公開直前! 大人気プロレス絵本第2弾『パパはわるものチャンピオン』のご紹介でした。
おしまい。
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