出典:エリック・カール『パパ、お月さまとって!』/偕成社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『パパ、お月さまとって!』のご紹介です。
「絵本の魔術師」エリック・カールの楽しいアイデアがつまった1冊。
娘にせがまれたお父さんが、長い長いはしごをかけて、お月さまをとりにいきます。
内容に合わせて、絵本が上下左右に開く仕掛けは迫力満点!
深く鮮やかな色彩が美しいロングセラー絵本です。
絵本『パパ、お月さまとって!』の情報
著者:エリック・カール/作 もり ひさし/訳
出版社:偕成社
出版年:1986年12月
ページ数:43ページ
対象年齢:3歳から
『パパ、お月さまとって!』のあらすじ
ある晩、モニカはお月様と遊びたくなりました。
とても近くに見えるのに、体をいっぱい伸ばしてもお月さまには届きません。
「パパ、お月さま とって!」
娘にお願いされたパパは、ながーいながい梯子を持ってきて。
そして、たかーいたかい山のてっぺんに梯子を立てて、お月さまへとのぼっていきます。
1番上まできたパパは、お月さまを持って帰ろうとします。
だけど、ちょっと大きすぎて運べません。
するとお月さまが言います。
「わたしは まいばん すこしずつ ちいさくなっていくんですよ。
ちょうどよい おおきさになったとき、つれていってくださいな」
そしてお月さまは、だんだん小さく、小さくなっていきました。
運べるくらいの大きさになったところで、持って帰り、娘にプレゼント。
跳んだり踊ったり、抱きしめたり、高く投げたり。
モニカは、お月さまと遊ぶことができて大喜び!
だけど遊んでいるあいだも、お月さまは少しずつ小さくなりつづけて……
絵本『パパ、お月さまとって!』の内容と感想
パパとして、子どものおねだりは応えたいですよね。
どんなわがままなお願いだって聞いてあげたいのが親心。
だって、かっこいいパパだって思われたいですもん。
「パパ、すご~い!」って言われたい!
そして、そんな娘の無茶ぶりにとことん応えてあげたのが今回の絵本。
娘に月をせがまれたパパは、ほんとうにお月さまををつれてきちゃいました。
「絵本の魔術師」といわれるエリック・カールさんらしい、色彩豊かな深いイラストのアイデア絵本。
なんといっても見どころは、ページが開く楽しい仕掛け!
ながーい梯子を持ってくる場面では、ページが左右に広がります。
梯子をのぼると上に開き、梯子をおりると下に開く。
そして大きなお月さまがドドンっと描かれるシーンでは、上下左右に広がり絵本が一回り大きくなるんです。
この、絵本の常識をやぶるスケール感はすごいインパクト!
大型絵本の『ビッグブック パパ、お月さまとって!
ワクワク感や親の愛情、そして自然の美しさがつまった、楽しい仕掛け絵本です。
受賞歴
・ボローニャ国際児童図書展 エルバ賞推薦
お月さまとって!
絵本を読みはじめてすぐに「わかるわかる!」って、なったのが、この『パパ、お月さまとって!』
だってね、たしかにお月さまって手が届きそうなんですよ。
絵本のモニカみたいに、体をいっぱい伸ばしてみたりしてね。
なのにぜんぜん届かない!
お月さまのほうに歩いていってもダメ。
2階のベランダにのぼってみてもダメ。
近づいていってもちっとも近づかないんです。
お月さまってほんとに不思議。
あんなに近くにみえるのに!
追いかけても届かない。
掴めそうなのに掴めない。
だけど考えてみたらさ、ぼくらの人生って、まるでお月さまみたいなものだよね。
ずーっと何かを追いかけていて。
すぐ手が届きそうなのに、いつまでも掴めなくて。
でもほんとは、いつもすぐそばにあったりするんだろうけどさ。
遠くばかりみているだけじゃ、見過ごしちゃうね。
追いかけることに疲れたら、立ち止まってみたらいいんじゃないかな。
それでもダメならパパにお願いしちゃえばいいんだから。
「お月さま とって!」ってね!
以上、めくって開いてたかーいたかい アイデア楽しい仕掛け絵本『パパ、お月さまとって!』のご紹介でした。
おしまい。
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