出典:ルース・ボーンスタイン『ちびゴリラのちびちび』/はるぷ出版
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ちびゴリラのちびちび』のご紹介です。
みんなの人気者の、ちびゴリラ。
「ちびちび」と、森の動物たちの愛情あふれる交流を描いた作品。
「変わらない愛」
「条件付きでない愛情」
そんな思いが込められているような優しい1冊です。
絵本『ちびゴリラのちびちび』の情報
著者:ルース・ボーンスタイン/作 岩田 みみ/訳
出版社:ほるぷ出版
出版年:1978年8月
ページ数:32ページ
対象年齢:2歳から
『ちびゴリラのちびちび』のあらすじ
小さなかわいいゴリラがいました。
みんながちびちびを愛していました。
お母さんも、お父さんも。
おばあさんも、おじいさんも。
ジャングルのみんなも、ちびゴリラのちびちびが大好きです。
蝶もオウムもサルも。
でっかいヘビだって。
のっぽのキリンも、ゾウの親子も。
ライオンのおじさんも、カバのおばさんも。
森の動物たちは、みんなちびちびが大好き!
いつも一緒に遊んでくれました。
だけどそんなある日、ちびちびが大きくなりはじめたのです。
どんどん、どんどん大きくなって、とうとう……
絵本『ちびゴリラのちびちび』の内容と感想
森のみんなから愛される、小さなゴリラ「ちびちび」のお話。
パステル画のあたたかいイラストで描かれた、たくさんの動物たちが登場する素敵な絵本です。
ゴリラはもちろん、ピンクの蝶にみどりのオウム。
ヘビ、キリン、ゾウ、ライオン、カバ。
ちびゴリラはジャングルの動物たちの人気者。
みんながちびちびを思い、助け、一緒になって遊んでくれます。
そんなたくさんの愛情に包まれたちびちびも、やがて成長していく。
どんどん大きくなって、ちびちびはもう、ちびゴリラではなくなってしまいました。
その変貌をみた動物たちはとった行動は……
なんとそんな彼にお誕生日の歌とバースデーケーキのプレゼント。
いい意味で予想を裏切られる展開に心が癒やされます。
見た目や大きさが変わったって、ちびちびはちびちびですもんね。
「姿、形がどう変わっても、あなたのすべてを愛している」
まるでそんなメッセージを伝えてくれているようです。
変わること、成長することに戸惑いを感じている。
そんな子どもに読み聞かせてあげてほしい1冊。
愛情のたっぷり詰まった優しさあふれる絵本です。
受賞歴
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 日本子どもの本研究会選定図書
ありのままを包み込む愛情
「望むような行動をしないと愛してもらえない」
「変わってしまうと嫌われてしまう」
そうやってぼくたちは、何かと愛されることに臆病になってしまいがち。
自分に自信が持てないから。
愛されることに安心できないから。
だからかな、つい今の自分を否定したり、特別な何かを求めてしまうけど。
でもね、愛されるために理由や許可証なんて必要ないんだよ。
ちびゴリラみたいにさ、生まれたその日からみんな愛される準備はできている。
誰もが愛される資格を持って生まれてくるんだから。
何ができるから、何があるから。
そんな条件付きの愛情ではなくてね。
「あなたがあなただから大切に思っている」
「どんな姿になっても愛している」
そんな変わらない愛情を受け取る権利が、ぼくたちにはあるんだから。
ちびちびみたいに理解してくれる人がどこかにいるから。
ありのままのあなたを愛してくれる人がきっとみつかるから。
ぼく自身も、娘であったり奥さんであったり、ぼくの大切な人たちに変わらない愛情を目いっぱい注いであげたいな。
以上、変わらない愛情を伝えてくれる 動物たちのやさしい絵本『ちびゴリラのちびちび』のご紹介でした。
おしまい。
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