出典:どい かや『みけねこキャラコ』/偕成社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『みけねこキャラコ』のご紹介です。
三毛猫らしくない三毛猫のキャラコ。
コンプレックスに悩んで、自分を好きになれません。
それがある一言で、ありのまま前向きに生きていきます。
子どもだけでなく大人だって勇気をもらえる優しいお話。
ほのぼのとした空気が流れる、あたたかさが心地よい1冊です。
絵本『みけねこキャラコ』の情報
『みけねこキャラコ』のあらすじ
三毛猫の女の子、キャラコには悩みがありました。
三毛猫といえば白と黒と茶色の3色模様。
だけどキャラコには白と黒の2つの色しかない……
わけではないけれど、茶色の部分は小さくて、しかも目立たない所にあるんです。
そんな三毛猫らしくない模様がコンプレックスのキャラコ。
挨拶するときにあえて茶色の部分を見せようと足をあげたりしていました。
そしてあるとき、キャラコは考えました。
「おもいきって じぶんで ちゃいろのもようを つくっちゃおう」
茶色の紙を体に貼りつけてみたけれど……
風が吹いて飛ばされてしまったり。
絵の具で茶色の模様を書いてみたけれど……
雨が降って流されてしまったり。
失敗ばかりでうまくいきません。
「もうどうしたらいいの」
キャラコは落ち込んでしまいました。
すると、隣の黒猫おばあさんがやってきて……
絵本『みけねこキャラコ』の内容と感想
コンプレックス。
誰でもひとつぐらいはあるものですよね。
他人からすれば大したことなくても、本人にとっては大問題なんです。
そして、そんなコンプレックスに悩んでいるのが本作の主人公。
愛くるしい三毛猫の女の子、キャラコです。
三毛猫らしくない小さな茶色模様が好きになれません。
なんとか目立たせようと試行錯誤。
挨拶するときに茶色の部分を見せようと足をあげてアピルールしてみたり。
仕草や表情などがいちいち可愛らしくて、とってもキュート。
微笑ましいキャラコの一生懸命な姿に心が癒されます。
そんなコンプレックスを抱えていたキャラコですが……
「おとなになれば もようなんて かわってくるんだよ」
自分も子どものころは白黒柄だったという黒猫ばあさんの言葉によって心境に変化が。
キャラコはコンプレックスを克服し、自分自身を肯定しはじめます。
ありのまま前向きに生きていく大切さを教えてくれる1冊。
やさしいタッチの絵は、まるで、ぽかぽかとしたお日さまの温もり、花や緑の匂いなどを感じ取れるよう。
見ているだけで幸せな気分にさせてくれる作品。
ほのぼのとした愛らしい猫絵本です。
受賞歴
・全国学校図書館協議会選定図書
たったひとことで救われる気持ちがある
キャラコは黒猫ばあささんの言葉で自分を受け入れはじめます。
でもこれって、なにも絵本のなかだけではありませんよね。
たったひとことで救われる気持ちがある。
何気ない言葉でみえる景色がある。
自分のなかだけで完結させちゃうとさ。
よくない考えばかりでいっぱいになっちゃうから。
つい視野がせまくなって、目の前にあっても自分では気がつけなかったりするからね。
誰かにかけてもらう言葉が必要なときだってあるんだよ。
人は誰かに影響を与えられて、与えながらいきているんだから。
だからこそ閉じこもってないで受け取る準備をしておかなくちゃ。
そして、与えられるようにもならなきゃね。
そのためにはさ、キャラコみたいに一生懸命に生きなきゃ。
待ってるだけじゃ何も動きださないんだからさ。
以上、そのままでいいんだよ! 自分を好きになれる ほのぼの猫絵本『みけねこキャラコ』のご紹介でした。
おしまい。
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