雨なのに、いい天気? でろでろのぐちょぐちょなあべこべ絵本『カエルのおでかけ』

出典:高畠 那生『カエルのおでかけ』/フレーベル館

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『カエルのおでかけ』のご紹介です。

大雨を嫌がるどころか、すべてがご褒美になってしまうカエルのお話。
ユーモラスで愉快なあべこべ絵本。

「雨の日はちょっと……苦手かも……」
そんな人にこそ読んでほしい1冊。

さあ、でろでろでぐちょぐちょのピクニックのはじまりです!

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絵本『カエルのおでかけ』の情報

著者:高畠 那生/作
出版社:フレーベル館
出版年:2013年5月
ページ数:32ページ
対象年齢:4歳から

『カエルのおでかけ』のあらすじ

カエルがテレビで天気予報をみています。
「お、あしたは いい てんきに なりそうだ」

翌朝、窓のカーテンを開けると、外はものすごい雨。
天気予報どおり! 今日はカエルにとっての「いい天気」

カエルは大興奮で外に出かけます。

もちろん傘なんてさしません。
とうぜん雨で全身びしょ濡れです。

それでもカエルは上機嫌。

お弁当に、出来たてサックサクのカツバーガーを買って公園に。
園内はどこもかしこも水浸し……

せっかくのカツバーガーも、雨に濡れてでろでろのぐちょぐちょ……
だけどそれがカエルにとってはご馳走なんです!

食事のあとは一休み。
大雨のなかをプ〜カプカ〜。

おっとっと、雨がやむ前に帰らなきゃ。

まあ、雨がやんでも大丈夫。
カエル特製の「びしょぬれかさ」があるもんね。

おうちに帰ってもご満悦なカエル。
さて明日の天気はどうかな〜?

「明日はもっと『いい天気』になるでしょう」

出典:高畠 那生『カエルのおでかけ』/フレーベル館

絵本『カエルのおでかけ』の内容と感想

いい天気と言えば普通は晴れ。
だけど、カエルにとってのいい天気は雨なんです!

そんな大雨のいい日に、カエルがハイテンションでおでかけ。
ボーダーのシャツ着こなしてちょっぴりオシャレ。

傘はもちろんさしませんよ。

水浸しの公園に大興奮だったり。
雨に濡れた、でろでろのぐちょぐちょなカツバーガーがご馳走だったりと。

雨が降っていることすべてがプラスに変わる。
価値観が逆転した、あべこべなカエルの世界。

雨の絵本の中でも異彩を放つ、とびっきりユーモラスな絵本です。

大洪水の公園でどこもかしこも水浸し。
こんな状態で楽しいのかな?と思わないでもないですが……


でも、カエルがあまりにも満足そうなので、どこからみても楽しそうにしか見えません。
まあ、でろでろのぐちょぐちょなカツバーガーはちょっと勘弁してほしいですけどね……


それにさすが雨好きなカエル、家もしっかり雨漏りしているところもポイントです。

ページをめくるたびに、雨の中でびしょびしょになるのも気持ち良さそうに見えてきたりして。

なんだか感覚がマヒして、おかしな錯覚にとらわれてしまいそうになる一風変わった作品。

雨の日が苦手な人はぜひ一読あれ。
とっても愉快な、でろでろのぐちょぐちょな、あべこべ絵本です。


受賞歴
・第19回 日本絵本賞

出典:高畠 那生『カエルのおでかけ』/フレーベル館

雨の日だって、いい天気

雨ってなぜだか嫌われ者なイメージですよね。

「雨にぬれてテンションが下がる」
「湿気で髪がボサボサ」
「洗濯物に困る」
「せっかくの休日にお出かけできない」

ダメな理由を数えればきりがない……
だけどちょっと待ったー!

雨は憂鬱なものと決めつけていませんか?
そんなものはただの先入観や思い込みでしかないんですよ!

見方や見る角度を変えれば、物事は全く違った顔をのぞかせます。

絵本のカエルのように雨の中を楽しむことだってできるはず。
憂鬱な雨の日だって、最高に素敵な1日に変えられるはず。

ほら想像してごらん。

雨の中を傘もささずに踊ってみたりするのもいいんじゃない?
あ、でも風邪ひいちゃうかな……

いやいや、たまには雨の日にピクニックなんてのも粋なもんですよね。
あ〜でも、びちょびちょになったお弁当はおいしくなそうだなあ……

あれ、なんだかあんまり楽しくなさそうなんじゃ……

まあ、要は考え方ひとつってことで。
自分しだいでどんなことだって楽しくできるんですから。

以上、雨なのに、いい天気? でろでろのぐちょぐちょなあべこべ絵本『カエルのおでかけ』のご紹介でした。

おしまい。

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