絵本さんぽ

〜絵本ソムリエのおすすめ絵本紹介〜

結末の怖い展開にドキッとする 関西弁のシュールな絵本『どこいったん』

絵本「どこいったん」の表紙

出典:ジョン・クラッセン『どこいったん』/クレヨンハウス

みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。

今日は、絵本『どこいったん』のご紹介です。
 
シュールで独自の世界観で描かれた絵本。

くまが失くした帽子を探して行ったり来たり。
ブラックユーモアあふれるストーリーに、ドキッとする衝撃的なラストが印象的。
 
関西弁のゆるいのんびりとしたイメージと、そのギャップがいい具合に噛み合っていますね。

最後まで読むと、とぼけたくまの表情が少し怖く見えてくるかも……
ちょっぴり不思議な雰囲気に引き込まれる、ハラハラドキドキなおすすめの1冊です。

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絵本『どこいったん』の情報

原題:I Want My Hat Back
著者:ジョン・クラッセン/作 長谷川 義史/訳
出版社:クレヨンハウス
出版年:2011年11月
ページ数:33ページ
おすすめ対象年齢:4歳5歳大人
読み聞かせ:3歳から

『どこいったん』のあらすじ

「ぼくのぼうし どこいったん? さがしに いこ」
くまが無くしてしまった、大事な赤い帽子を探しています。

「ぼくのぼうし どこいったん?」
いろんな仲間に聞きました。

「きみのぼうし しらんなあ」
「このへんでは みてへんで」

「そうか おおきに」

みんな知らないみたい……
なかなか帽子はみつかりません。

「もどってけえへんかったら どないしよう」
「みつかれへんかったら どないしよう」

くまは悲しくなって途方にくれてしまいます。

……あれ……だけど、ちょっとまって!
さっき誰かが赤い帽子をかぶっていたような……

あっ、あのうさぎ!
くまが大急ぎで来た道を戻ると……

絵本「どこいったん」の中身その1出典:ジョン・クラッセン『どこいったん』/クレヨンハウス

絵本『どこいったん』の内容と感想

ジョン・クラッセンの帽子シリーズ第1弾。

帽子を失くしたくまと、探索中に出会う動物たち。
軽妙でやわらかい言葉選びが関西弁ならではですね。

ほんわかした気分で読み進めいていくと……えっ、これってもしかして……
ちょっぴり怖い結末にはドキッとさせられてしまいます。

関西弁の訳が原書とはまた違った雰囲気を与えていて、いい味をだしているんですね。

全体を通してシックでおしゃれなデザイン。
動物たちの、のっぺりとしたフォルムと表情に、ギョロッとした目が印象的。

終盤のくまとうさぎが見つめ合うシーンは、何とも言えない緊張感が漂っていてみどころです。

作者のジョン・クラッセンさんはカナダ出身、新進気鋭のイラストレーター。
今作『どこいったん』が絵本としては処女作。

そして、日本語版の翻訳を担当したのは絵本作家の長谷川義史さんです。
こちらも翻訳としては初挑戦。

結局、うさぎはどうなっちゃったんだろう?
原書の英語版ではもう少し直接的な表現があるみたいだけど……

いろいろ想像して楽しめる分、どちらかというと大人向けの絵本かな。

受賞歴

  • 第5回「MOE絵本屋さん大賞2012」2位
  • 2011年ニューヨークタイムズベストセラー
  • ドクター・スース賞
  • オナー賞

続編・シリーズ作品
【ジョン・クラッセンの帽子シリーズ】

  1. どこいったん(2011年11月)
  2. ちがうねん(2012年11月)
  3. みつけてん(2016年10月)

ジョン・クラッセンの帽子シリーズ特設サイト

絵本「どこいったん」の中身その2出典:ジョン・クラッセン『どこいったん』/クレヨンハウス

もう失くさないように

大事にしていたものを失くしてしまったとき。
大切にしていたものをどこかで見失ってしまったとき。

慌ててパニックになっちゃいますよね。
心臓がバクバクして、あの胸がきゅーっと苦しくなる感じ。

帽子がないことに気がついたとき、絵本のくまもすっごく焦ったんだろうな。
そういう経験って、できればご遠慮願いたいものですよね。

ぼく自身、何度も失くしたり見失ったりしてきたから。
それは物質的なことだけじゃなくて、精神的なことだったり、状況的なことであったりして。

他のものに気をとられているうちに見失ってしまったり。
積み上げてきた大事なものを、自分自身の手で壊してしまったり。

冷静になってから気がついて、後悔してもう遅くて。
ぼくの人生、そんなことの繰り返しでした。

それでも、こんなぼくに、本当に大切なものができて。
心から守りたいと思うものができたから。

奥さんと娘、家族がぼくにっとての1番。

だけどつい甘えて奥さんには負担をかけてしまうこともあるし。
娘に対しても、いいパパでいられているのかと不安になることもしばしば。

大切なものって、それを維持する努力も必要なんだと実感しています。
もう失くさないようにしたいから。

絵本の結末のように怖い展開になるのも嫌ですしね。
 
以上、結末の怖い展開にドキッとする 関西弁のシュールな絵本『どこいったん』のご紹介でした。

おしまい。
 

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コメント & トラックバック

  • Comments ( 4 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. はじめまして!
    人の物をとったらダメって事ですよね笑

  2. はじめてコメントします。
    「どこいったん」の絵本が大好きな主婦です。息子の絵本を探していて偶然見つけて、親の私の方がハマってしまいました。しばらく読んでなかったけどまた読みたくなりました。

    • りくままさん

      はじめまして。
      コメントありがとうございます♪
      子どもの絵本を探していて親の方がハマっちゃうってよくありますよね。
      ぼくもしょっちゅうです。

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