出典:石井 桃子,横内 襄『ちいさなねこ』/福音館書店
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『ちいさなねこ』のご紹介です。
お家から飛びたした、子ねこの小さな冒険のお話。
外の世界は危険がいっぱい待ち受けています。
子どもは子ねこの目線になって、一緒に冒険気分!
ハラハラする展開に引き込まれちゃいますよ。
リアルなねこの仕草が愛らしい、ロングセラーの1冊です。
絵本『ちいさなねこ』の情報
『ちいさなねこ』のあらすじ
お家で飼われている、小さな子ねこ。
お母さんねこが目を離したすきに飛びだしました。
門をでて、どんどん走っていきます。
あっ、男の子が子ねこを捕まえた。
だけど、手を引っかいて逃げだしました。
そしてまた、どんどん走っていきます。
わ、あぶない!
自動車がきているよ。
間一髪、車はブレーキをかけて止まりました。
するとまたまた子ねこは走り出します。
おや、今度は向こうから大きな犬がやってきたよ。
犬に追いかけられた子ねこは、近くの木に上って緊急避難。
でも大きな犬は、木の下から離れようとしません。
このままじゃ、ずっと降りられないね。
どうしよう……
絵本『ちいさなねこ』の内容と感想
福音館書店「こどものとも絵本」シリーズの1冊。
お家を飛びだした小さな茶トラねこの、小さな冒険物語です。
子ねこにとって外の世界は危険がいっぱい。
ページをめくるたびにハラハラドキドキ。
車の前に飛びだすシーンでは、思わず声がでてしまいます。
子どもは子ねこの気持ちになって、一緒に絵本で小さな冒険を楽しむのでしょうか。
絵も世界観もデフォルメのないリアルな描写。
昭和の町並みやレトロな雰囲気もすてきですね。
写実的に生き生きと描かれた動物たちは、まるで絵本のなかから飛びだしてきそう。
とくに小さな子ねこと、大きな犬が対峙する場面は迫力満点ですよ!
迎えにきたお母さんねこは、子ねこよりは大きいとはいえ、犬のほうがずっと大きい。
それでも愛するわが子のために勇敢に立ち向かう姿には、母の愛を感じます。
最後のやさしい表情からも、いいお母さんなのが伝わってきますね。
ひとりで飛びだしたら危ないよって、思ってくれるといいですけど……
ねこ好きなら大人も子どもも一度は読んでほしい、ロングセラー絵本です。
受賞歴
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
子どもは走るどこまでも
子どもって目を離すと、すぐに飛びだしていっちゃいますよね。
絵本の子ねこみたいに、どこまでも走っていっちゃう。
何にでも興味津々で、広い世界が知りたがって。
好奇心旺盛なのも、楽しそうなのもいいんだけどね。
考えなしで飛びだしちゃうもんだから、親としては気が気じゃないんです。
ほんとお母さんねこの気持ちがよくわかる。
いずれ大きくなったら、自分の足で外の世界に踏みだす日もくるんだろうけど。
楽しいこともあり、ときには失敗したり傷ついたり。
そうやって、いろいろあるのが人生だよね。
だけどそれはもう少し先の話かな。
なんて言ってても、案外すぐだったりするのかもしれないね。
人も猫も、子どもの成長なんてあっという間なんだから。
うちの娘も、今は「ぱぱ、ぱぱ」って甘えてきてくれるけどさ。
「パパくさい」なんて煙たがられる日も、そう遠くないのかも……
以上、子ねこの小さな冒険のお話 ハラハラする展開が楽しい猫絵本『ちいさなねこ』のご紹介でした。
おしまい。
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