みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『いたずらこねこ』のご紹介です。
はじめてみた、カメという不思議な生き物に興味津々な子ねこ。
そんな好奇心旺盛ないたずら子ねことカメの、微笑ましい一幕を描いた1冊。
子ねこの驚いた反応が可愛らしい!
猫好きさんにおすすめのロングセラー絵本です。
絵本『いたずらこねこ』の情報
著者:バーナディン・クック/作 レミイ・シャーリップ/絵 まさき るりこ/訳
出版社:福音館書店
出版年:1964年11月
ページ数:48ページ
対象年齢:2歳から
『いたずらこねこ』のあらすじ
小さな庭の小さな池に、小さなカメが住んでいました。
そしてそのとなりの家には、とてもいたずらな子ねこがいました。
カメは今日も日課の散歩。
ゆっくりゆっくり、立ち止まったり、また歩きだしたり。
そこへ子ねこがやってきます。
はじめて見た不思議な生き物に興味津々。
用心しながら近づいて、近くにちょこんと腰を下ろして観察。
そしておもむろに、カメを「ポン!」っと叩くと、カメは首を引っ込めます。
首がなくなって子ねこはビックリ仰天!
もう一度「ポン!」っとカメを叩くと、今度は足が足を引っ込めます。
驚いた子ねこは、じっとカメを眺めました。
しばらくして足を出し首を出し、動き出したカメ。
カメがひと足近づくと、子ねこはひと足うしろへ下がり、ひと足近づくとまた下がり…、
おやおや、そのまま下がっていっちゃうと……
絵本『いたずらこねこ』の内容と感想
小さな庭で繰り広げられる、小さなカメと小さなねこの可愛らしいやりとりを描いた1冊。
全ページ白地の背景に、えんぴつで書かれた線。
カラーは池の水飲み、というシンプルなイラストです。
固定カメラのような同じ視点が、2ひきの距離感をうまく伝えてくれていますね。
やんちゃな子ねこは小心者なのに、子どもながらの好奇心には勝てません。
自分から仕掛けておきながら、相手の反応に「ビクッ」となる姿が愛らしい。
警戒しつつも気になるんだから仕方がないのが、猫らしい一面なのかもしれませんね。
「ポン!」っと叩くたびに頭を引っ込め、足を引っ込め。
次はどうなるんだろ!と、魅力的な展開に子どもたちも惹きつけられます。
「ようじんしいしい」みたいな、独特な言い回しも印象的な作品。
愛らしい子ねこに癒されたい人はぜひとも読んでほしい!
猫好きさん必見のロングセラー絵本です。
受賞歴
- 厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書
- 全国学校図書館協議会選定図書
- 名古屋市児童図書選定協議会選定図書
失敗だって大切な経験
みんな最初はわからないことだらけ。
わからないから気になるし。
わからないから怖いと感じる。
そこから失敗して経験して学んでいくもの。
いたずらな子ねこだって、知らないことだらけで興味津々なだけなんですよね。
はじめて見たカメが気になって。
見たことがない不思議な生き物に触れてみたくて。
ときには失敗して痛い思いもして、そうやって少しずつ学んでいくんです。
だけどついついぼくたちは、子どもに対して先回りしてしましがち。
「あれはダメ」「これもダメ」
「ああしなさい」「こうしなさい」
心配だし、かわいいからこそなんだけど。
そんなふうに口を出して間にはいったりしてしまう。
でもそれって、子どもの経験する権利を奪ってしまってるんですよね。
失敗する機会を親の都合で閉ざしてしまっている。
我慢してじっと見守ってあげるのも親の役目なのにね。
それでほんとに危険なときは、きちんと助けてあげればいいんだから。
まあ、カメに夢中になって小さな池にはまっちゃうぐらいなら、放っておいても大丈夫かな。
いろいろ世話をやいたり、口を出したりしちゃうけどさ。
ぼくたち大人が子どもにしてあげられることって、あまり多くはなくて。
子どもが安心して失敗できるよう、心の支えになってあげること。
そして安心して帰ってこられる居場所でいてあげること。
意外とそんなもんだったりするんですよね。
以上、ポンっと叩くと引っ込んだ! 驚いた反応が愛らしい猫絵本『いたずらこねこ』のご紹介でした。
おしまい。
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