出典:デヴ・ペティ,マイク・ボルト『オレ、カエルやめるや』/マイクロマガジン社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『オレ、カエルやめるや』のご紹介です。
カエルをやめたいカエルのお話。
陽気なカエル親子の会話で展開する、自己肯定の物語です。
アメリカ発の人気絵本。
生意気でかわいいカエルのユーモアあふれる1冊です。
絵本『オレ、カエルやめるや』の情報
著者:デヴ・ペティ/作 マイク・ボルト/絵 小林 賢太郎/訳
出版社:マイクロマガジン社
出版年:2017年11月
ページ数:25ページ
おすすめ対象年齢:4歳、5歳
読み聞かせ:3歳から
『オレ、カエルやめるや』のあらすじ
「あのさ、おとうさん。オレ、ネコになることにするや」
カエルの子どもがパパに言います。
どうやらカエルの子どもは、カエルであることがイヤみたい。
だってぬれてるし、ヌルヌルしてるし、ムシばっかり食べるし……
だけどカエルはネコにはなれません。
カエルのパパがやさしく教えてあげます。
「じゃあ オレ、ウサギになることにするや」
たしかにカエルもウサギも、ピョンピョンとぶのは同じだけど……
耳が長くないし、やっぱりウサギにもなれませんね。
ブタにフクロウ。
カエルの子どもは、次々なりたい動物をパパに言っていきます。
それでもカエルはカエル。
ブタにもフクロウにもなれません。
すると、黒くて大きなオオカミがやってきて言います。
「ネコもウサギもブタもフクロウもだいこうぶつです!」
もしもカエルの子どもが、ネコやウサギやブタやフクロウだったら……
いまごろペロリと食べられていたかも!
でも、そんなオオカミにも食べられないものがあるんですって。
それは……
絵本『オレ、カエルやめるや』の内容と感想
違う「何か」になりたい。
自分じゃない「誰か」になりたい。
誰だって1度くらいは、そんなふうに考えたりするものですよね。
そして絵本の主人公である、カエルの子ども例外ではありません。
なんと、カエルであることをやめたいみたい。
実は、かわいくて毛がフサフサの動物になりたいようで……
ユーモアあふれるストーリーと、吹き出しの使い方が特徴的。
カエル親子の陽気な会話で繰り広げられる、自己肯定の物語です。
まず、カエルが嫌な理由がおもしろい!
ぬれてるし、ヌルヌルしてるし、ムシばっかり食べるからって……
まあたしかに、それがカエルの特徴だし苦手に思われるポイントなんだろうけど。
カエル自身がそれを言っちゃうのかい、って感じですよね。
そして、そのカエルの嫌いな部分が、そのままオオカミが食べたくない理由だったりもして。
短所だと思っていることが長所になるってこと。
反対に、長所だと思っていこっとが短所にもなるんです。
誰だっていいことばかりじゃないないからね。
「カエルは やめられないよ」
「あなた は あなた」
絵本のセリフは、子どもだけではなく大人にも響くものがあるんじゃないでしょうか。
自分であることはやめられないからね。
どんな自分も認めて、受け入れる生きていくしかない。
まるで、そんなメッセージを伝えてくれているよう。
アメリカ発の人気絵本。
邦訳はラーメンズの小林賢太郎が手掛けています。
生意気でかわいいカエルのユーモアあふれる1冊です。
「私は私」で「あなたはあなた」
カエルの子どもはカエルをやめて、違う動物になりたいみたい。
オタマジャクシからカエルになったんだから、次も……
そんなふうに考えちゃったのかな?
でもまあ「蛙の子は蛙」なんて言葉もありますから。
カエルの子どもは、やっぱりカエル以外にはなれないんですよね。
そしてそれは、ぼくたちだっておなじ。
違う誰かにはなれないから。
「自分の性格がいや」
「もっとかわいく生まれたかった」
そうやって願ったところで自分であることはやめられない。
カエルがカエルをやめられないようにね。
それにさ、たとえ違う誰かになったところで、きっと悩みはなくならないよ。
悩みの理由が変わるだけ。
どんな人だって少なからず、悩みの種はあるものだから。
「自分なんて」
「どうせ私なんか」
そんなふうに卑下したところで悲しいだけ。
自分を否定してたってつらいだけ。
ぼくはぼく。
あなたはあなた。
それ以外にはなれないし、それでいいじゃない。
大切なのは受け入れたうえで、どうなりたいか。
絵本のカエルが、カエルであることを受け入れたみたいにね。
心配ないよ。
あなたはあなたのままで幸せになれるんだからさ。
以上、カエルをやめたいカエルのお話 自己肯定の物語絵本『オレ、カエルやめるや』のご紹介でした。
おしまい。
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