出典:tupera tupera『しろくまのパンツ』/ブロンズ新社
みなさん、こんにちは。
絵本ソムリエのニコパパです。
今日は、絵本『しろくまのパンツ』のご紹介です。
パンツ型にあいた穴あきの仕掛けと、繰り返しの展開が楽しい人気絵本!
ちょっととぼけた表情の動物たちと、カラフル色づかいがとってもすてきな作品です。
特徴的なパンツ形の絵本の帯!
そしてストーリのオチも、あっとおどろく結末でとっても楽しい!
最初から最後まで余すことなく笑える、読み聞かせでも大人気の愉快な1冊。
子どもも大人も笑える、遊び心たっぷりのユーモラスな絵本です。
絵本『しろくまのパンツ』の情報
『しろくまのパンツ』のあらすじ
「どこにいったんだろう」
パンツをなくした、しろくまさんが困っています。
しかも、どんなパンツをはいていたのか忘れちゃった……
「どうしたの?」
心配したねずみさんがやってきて、一緒にパンツを探してくれることに。
あ、おしゃれな縞々のパンツがあるよ!
「これ しろくまさんのパンツ?」
「ううん ちがう」
じゃあ、だれのパンツ?
しまうまさんのパンツだね!
おいしそうなお菓子がいっぱいのパンツはブタさんのパンツ。
かわいい花がらのパンツは、ちょうちょさんのパンツ。
「I ♡ ねずみ」と書かれたパンツや、へんてこりんな水たまのパンツ。
逆さまになったニンジンのパンツ……
パンツはいっぱいあるんだけど……
しろくまさんのパンツはぜんぜんみつかりません。
あれれ、でもちょっとまって!
しろくまさん、よーくみたら……
さて、しろくまさんのパンツはみつかったのかな……?
絵本『しろくまのパンツ』の内容と感想
まず、絵本の帯がパンツ!!
絵本をひらく前から、おもしろい仕掛けにウキウキしちゃいます!
そしてその赤いパンツを脱がさないと、絵本をひらくことができません。
なんだかちょっと恥ずかしいような……
そしてそして、ページをめくるとパンツの部分だけが見えるように穴が!
大きかったり小さかったり、穴が空いてたり、逆さまだったり。
柄やデザインも、それぞれの動物にぴったりのパンツがあって、なんだか笑っちゃいますね。
しろくまにはじまり、ねずみ、しまうま、ブタ、ちょうちょ、ねこ、イカ、うさぎ。
いろんな動物が登場する繰り返しの展開も、とっても楽しい!
「これは誰のパンツかな?」
読み聞かせではクイズ感覚で楽しめて、子どもたちに大人気です!
さらに物語のラストには、まさかのオチが!
表紙のイメージで、しろくまさんのパンツは赤色だとばかり思っていたら……
わかったうえで改めて読み返してみると……
ほんとだ! たしかに最初っからずっとはいてる!
まさに灯台下暗し!
パンツ版の「メガネ、メガネ状態」ですね。
物語を読み終えて「替えパンツのご案内」で、さらにもうひと笑い。
帯の赤いパンツを失くしたり破れてしまっても「替えパンツ」のアフターサービスまであるんですから!
遊び心たっぷりの愉快な1冊。
大人が読んでもおおいに楽しめるユーモラスな絵本です。
『Polar Bear’s Underwear』というタイトルで英語版も含め、世界10カ国で翻訳され楽しまれていますよ。
受賞歴
- 第2回 街の本屋が選んだ絵本大賞
- 第18回 日本絵本賞読者賞(山田養蜂場賞)
- 第4回 ようちえん絵本大賞
- 第6回 MOE絵本屋さん大賞 第3位
- 第2回 静岡書店大賞児童書新作部門 第2位
- 第4回 リブロ絵本大賞 第5位
- フランス・マルセイユ こどもの本大賞2014
パンツをはいていたって気がつかない……
しろくまさん……
パンツ、はいてるじゃない……
しかもおニューのパンツじゃないの。
ちょっと、しっかりしてよ~!
なんてツッコミいれたくなりますけど。
でもまあ、こういうのって、しろくまさんにかぎった話じゃないんですよね。
意外とすぐ近くにあっても見えなかったりさ。
たとえ目の前にあったって気がつかないこともあるから。
それはさ「こういうものだ」っていう、思い込みのせいだったりして。
人の視野って簡単にせまくなっちゃうんだよね。
読者のぼくたちだって、最初のページからずっとはいてる白いパンツに気がつかないんだから。
見ようとしていないだけ。
実は気がついていないだけ。
求めているものは、いつだってすぐそばにあって。
ほんとに必要なのは探すことじゃなく、気がつくことなんじゃないのかな。
もっと目をこらして、視野をひろげて見てごらん。
気がつかなきゃさ、存在しないのとおなじになっちゃうから。
ほらね、大事なものは手の届くところにあるんだよ。
しろくまさんのパンツだって、はじめからそこにあったでしょ!
以上、パンツ型の穴あき仕掛けが楽しい! 遊び心たっぷりの人気絵本『しろくまのパンツ』のご紹介でした。
おしまい。
jiv2lz